平成17年度  高知大学SPP事業

平成17年度 高知大学SPP(サイエンス・パートナーシップ・プログラム)事業

平成17年度、高知大学理学部と高知南高校はSPP事業において、高校生に物質科学における物理・化学・生物分野の密接な関係や不思議さ・面白さ、また分野にまたがる幅広い基礎知識の必要性を理解してもらい、物質の科学への興味を喚起し、敬遠されがちな理科科目の履修を促すことを目的とし実験実習を中心とした教育連携講座を開催しました。

高知南高校の生徒さんをメインに高知東工業高校・安芸高校の生徒さん、総勢31名が参加し、全員が修了証書を授与されました。

SPP事業とは

サイエンス・パートナーシップ・プロジェクト(以下「SPP」という。)は、学校、教育委員会等管理機関と、大学・科学館等との連携により、児童生徒の科学技術、理科・数学(算数)に対する興味・関心と知的探究心等を育成するものです。

教育連携講座とは

大学、研究機関等が主体となって、学校もしくはその管理機関と連携しつつ、当該大学、研究機関等の施設において、所属する研究者等の研究内容等に関する学習等を行うものです。この講座では、児童生徒の自ら学ぶ意欲や思考力、表現力、判断力を培うため、実験、観察等の学習を積極的に取り入れることとしています。また、学校は、教育活動に適切に位置付けて、指導上のねらいを明確にして参加するとともに、実施後に児童生徒による意見発表や討議、レポート作成等を取り入れることにより、成果を学校の教育活動に活かすこととしています。

平成17年度サイエンスセミナー(高知大学関係)

  授業日 時間 授業内容
第1回 8月2日(火) 10:00

科学と実験

実験実習の全体計画、実験の心構え、建物と実験室の配置などについて学習する。また、短時間のビデオ教材を用いることで動機づけを行う。

第2回 8月2日(火) 13:30 光速および偏光に関する実験

光の速度の測定実験により,光速が透過媒質により変化することを学ぶ。また,光の偏光実験により,光の偏光の性質について学ぶ。実験終了後,実験レポートの作成を行う
第3回 8月3日(水) 13:30 超伝導を探る

超伝導物質は21世紀のエネルギー問題などに欠くことのできない重要な素材である。銅酸化物超伝導体の測定を-200°Cまで行うことにより,超伝導の2つの基本的な性質,すなわち,完全導電性(電気抵抗がゼロ)と完全反磁性(超伝導体内部で磁束密度がゼロ)を,実験を通して体験し,超伝導現象への理解を深める。
第4回 8月4日(木) 13:30 圧電体セラミックスを用いたスピーカーの製作

  高校で学ぶ結晶・イオン等の概念から,最新のエレクトロニクス材料である圧電体の結晶構造と性質までを学習する。また,実際に圧電体セラミック素子を用いてスピーカーを作製する実習を行う。
第5回 8月5日(金) 13:30 物質変換科学講座の紹介と研究室見学

物質変換科学講座で行われている教育や研究の概要につい学習する。また,物質変換科学講座の各研究室を廻って,実験の様子や研究装置等を見学し、どのような研究を行っているかについて研究室教員や大学院生・卒論生から説明を受ける。
第6回 8月8日(月) 13:30 刺激すると色がかわる色素を合成しよう

身の回りには,赤色,黄色,青色など様々な色をしたものであふれています。授業では,どうして赤いものは赤く見え,青いものは青く見えるのか,その謎解きに挑戦します。
第7回 8月9日(火) 13:30 コンピューターで分子の形を見てみよう

分子モデルを自分の好きなように動かして眺め,分子に親しむことで,学校の理科や化学の時間に学ぶ黒板上に書いた平面的なものでなく,立体的な形を正確に知り,その性質について学習する。
第8回 8月10日(水) 13:30 細胞の分化のしくみ

「細胞が分化する」とはどういうことか。受精卵から体の形ができる仕組みを考えながら,遺伝子と細胞分化の関係について学習する。その後,関連したごく簡単な実験を行う。実験では,遺伝子が働く様子を目で見る(組織中の特定のmRNAを検出する)手法を学ぶ。
第9回 8月11日(木) 09:30 PCR法を用いた遺伝子DNAの増幅と電気泳動解析

PCR(ポリメラーゼ連鎖反応)法とは,ごく僅かなDNA試料から,特定のDNAのみを特異的に100万倍程度にまで増幅させる技術である。犯罪捜査や,加工食品における遺伝子組替作物の使用の有無,最近ではSARS(重症急性呼吸症候群:新型肺炎)の診断などにも用いられており,現在の分子生物学において欠くことのできない技術である。本実習では遺伝子の構造・PCR法の原理を理解した後,実際に自分の髪の毛から遺伝子(チトクロームb遺伝子)を増幅,電気泳動によってDNAの増幅を視覚的に確認する実験を行う。この実験はDNAの個人情報に関する部分を含むために,その周知,確認を十分に行った上で実施する。
第10回 8月11日(木) 13:30 天然物化学を考える

自然界において生物が生産している芳香をもつエステルを実験室で化学合成する。また,ホタルなどの化学発光を,実験室で観察し,生命の神秘について考える。
  8月29日(月) 16:00 修了認定

授業時間数の2/3以上の出席とレポートの評価により修了認定を行い、修了証書が授与されます。