高知大学 農林海洋科学部 大学院 総合人間自然科学研究科農林海洋科学専攻

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大学院インタビュー 平成29年度

海の植物プランクトンから
"最強"プロモーターを獲得!


総合人間自然科学研究科2年(平成29年度)|岡山県出身|渡邉夢実


ものづくりの新しい主役、植物プランクトン

 植物プランクトンは光エネルギーと栄養塩を用いて二酸化炭素を吸収し、酸素を発生する光合成を行う生物です。植物プランクトンが注目されている理由として、トウモロコシやサトウキビといった高等植物と比べてその二酸化炭素固定能が優れている点があげられます。また、光合成を通して二酸化炭素を固定する際に、バイオ燃料として利用可能な脂質を生産する種が報告されています。光と栄養塩と水があれば脂質を生産する植物プランクトンを用いてバイオ燃料を作らせようと、多くの研究者が研究に取り組んでいます。


共存の鍵は「海」にあり

研究の様子

 その中でも私たちの研究室では、世界的な水不足を懸念して海産の植物プランクトンを研究に用いています。日本では蛇口を捻れば飲み水を手に入れられるため、水不足と聞いてもピンと来ないかもしれませんが、世界では約7億人以上の人が食糧生産のための淡水や飲み水の不足に喘いでいます。この問題から海産植物プランクトンを用いた研究の重要性が高まっています。


学部生の頃から、形質転換技術の改良に挑む

 先ほど、植物プランクトンがバイオ燃料のもととなる脂質を生産すると言いました。しかし、その生産能が低いため大量生産が難しいのが現状です。
 私たちの研究室では、増殖能の高い海産珪藻Phaeodactylum tricornutum(フェオダクチラム トリコナータム)を研究に用い、この形質転換技術の改良に取り組んでいます。バイオ燃料をはじめとする有用物質を植物プランクトンに作らせるためには、「形質転換」という、ある形質に関与する遺伝子を目的の生物に導入してその生物の形質を変化させる技術が非常に重要です。私はこの技術の効率を今まで以上に高める研究に学部生の頃から取り組んできました。

大学院で大きな発見! 従来の3倍強力なプロモーター

 目的の遺伝子、例えば油を作るもととなる遺伝子を植物プランクトンの中に導入して発現させるためには、同時にプロモーターと呼ばれるDNA配列も導入する必要があります。この配列は転写を誘導するスイッチのようなもので、種類によって誘導させる力が異なります。力の弱いプロモーターは遺伝子の転写をあまり誘導できず、結果として得られる有用物質の量は少なくなります。一方、力の強いプロモーターは遺伝子の転写を活発に誘導するため、結果として多くの有用物質を得ることができます。 私は、現在世界中で使われているプロモーターより約3倍強い、新たなプロモーターを獲得することに成功しました。この新しいプロモーターを用いた、有用物質の大量生産が期待されます。

新規プロモーター獲得のために用いた大腸菌(上)および植物プランクトン(下)

学会でも就活でも求められたプレゼンテーション力

 今回の研究成果は国内の学会だけでなく、国際学会においても発表する機会を得ることができました。自分の行ってきた研究を、その内容を全く知らない人からその道のプロまで様々な人に説明するためには入念な準備が必要です。英語力が求められる国際学会であれば、なおさら準備が必要となります。そこで事前に発表練習を行うのですが、その際、指導教員や研究室のメンバーから様々な意見をもらうことができたおかげで、本番では堂々と発表することができました。
 他の研究室と比べて、私たちの研究室は「プレゼンテーション」というものを大切にしていると思います。学会や卒業発表の前には発表練習を何回も繰り返し行います。人前に立つのが苦手だという人もいらっしゃるかもしれませんが、「何度も練習を重ねる」→「人前で発表する」というサイクルを繰り返すことで、自信が持てるようになります。ここで手に入れた力は大学・大学院に在籍している間だけではなく、社会に出てからも求められる力です。発表練習をしてきて本当によかったと、就職活動をしている間に何度も思いました。

研究室の恩師、足立先生。優しくて厳しい先生の指導に感謝しています!

研究室・自慢

水族環境学研究室

海好きが集合! オンもオフも楽しい研究室

私の所属している水族環境学研究室では、今回紹介した研究だけではなく、他にも様々な海の研究に取り組んでいます。赤潮や魚貝類を毒化させるような植物プランクトンを研究しています。大学が太平洋にとても近いところにあるため、頻繁にサンプリングに向かうことができ、常に新しいデータを取得することができます。 また、海が大好き!釣りが大好き!という人がたくさん所属しているので、休みの日などには海にみんなで行くこともあります。海が好きという人にはとても楽しい研究室だと思うので、興味が少しでも湧いたという方はぜひ、オープンキャンパスなどで覗いてみてください!


 船に乗り、みんなでサンプリングに向かう

 サンプリングの終了後、アカハタを釣る!!