| SUIJIプログラム履修生 3年(平成30年度時点)| 矢野諭稔
僕は1年から2年にかけて、SUIJIプログラムを履修しました。SUIJIでは夏に日本、春にインドネシアと1年間に2回、それぞれ3週間ほどのサービスラーニングを体験します。参加するのは2か国6大学の学生。農学系だけでなく文系、工学系など様々な専攻の学生がいて、国や分野を超えて学びと交流を深めることができました。
実習は、目標設定から取り組み内容、スケジュール管理まですべて自分たちで組み立てます。日本の実習で心に残っているのは、2年目に行った愛媛県明浜町です。「地域外や海外から来た皆さんの目線で地域の課題を発見し、ここに新しい風を起こしてほしい」と激励を受け、地域のいろいろな方と関わりながらフィールドワークを行いました。その中で、ミカン農家さんが海洋保全のことを考えていたり、漁師さんが森林の間伐を行っていたりと地域全体がひとつになって活動している姿を見て、広い視野を持つことの大切さを教わりました。
愛媛県明浜町での実習の様子
また、インドネシアの実習ではボゴール農業大学を拠点にトゥガル市に入り、地域が抱える「都市化」の現状を調査したことが大きな経験になりました。地域住民にインタビューをして回る中で、近年多くの人が農業をやめて大都市に出稼ぎに行っていることや豊かな田園地帯が埋め立てられ急速に市街地に変わっていること、また人口統計があやふやで制度設計にきちんと活かされていないことなど様々な課題を知ることができました。
トゥガル市での実習の様子
町で出会った子どもたちと
これらSUIJIでの経験を通して僕が学んだのは、「考えること」の面白さです。関連する事柄や歴史を調べたり比較したりすることで、深い気づきや新しい発見につながることを体感しました。また、英語は大切なコミュニケーションツールなんだと実感できたことで、義務感ではなく楽しく学べるようになりました。 SUIJIを通じて得た取り組みの姿勢や自分の中の軸を、今後も大事にしながら勉強や研究に励んでいきたいと思っています。