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高知大学農学部に入学したのは、高校生のときに見たアフリカ支援活動の写真に興味をもったことがきっかけです。国際協力について学びたいと思い、入学後、希望だった国際支援学コースに進みました。水や衛生に関する問題に関心がありましたが、とりわけ水を浄化する土壌について深く学びたいと思い、土壌環境学研究室に所属しました。
卒業論文では、放棄田で焼畑ソバ栽培を行い、その土壌養分動態を分析しました。研究の対象場所は、高知県大豊町怒田地区という限界集落です。近年、日本には耕作放棄地が増加しており、農地の荒廃が問題になっています。高齢化が進む怒田地区も同様でした。こうした放棄田を活用して中山間地域の活性化に貢献したいと思い、このテーマを選びました。
研究は、高齢になり農作業ができず放棄されていた畑を利用しました。焼畑用の木材も荒廃していた地元の植林地の間伐材を伐採後乾燥させて火入れを行い、その灰を肥料にしてソバを栽培しました。ソバ栽培は、寒暖差の大きい大豊町の気候に適しています。また、焼畑やソバ栽培は国外でも行われているので、フィールドが日本でも研究内容は海外に通用すると思い、このテーマを選びました。また焼畑農法は管理があまり必要ではないため、人手が少ない限界集落に適しているのも、テーマに選んだ理由の一つです。
栽培したソバは、大豊町の「立川ソバ」です。中山間地域の活性化のためには、最終的に特産品として実用化できるものが求められます。種を分けていただける方を探し、多くの方にお世話になりながら、無事に夏に種を蒔き、秋に収穫を行いました。
こうした過程の中で、定期的に土壌を採集し、その養分分析を行いました。土壌には、窒素、リン、カリウム、カルシウム、マグネシウムといった、植物に必須の元素が含まれています。土壌の硬度、重さ、水分量のほか、火入れ前、火入れ後、またソバの収穫後など、さまざまな時期の土壌養分の変化を分析しました。
研究で一番大変だったのは、やはり実験です。国際支援学コースはフィールド活動と講義がメインのため、研究室に入るまで実験の経験はありませんでした。機械の使い方が分からなかったり、実験に失敗したり、ときには12時を過ぎることもありました。実験の種類が多いうえ、数値が理解できない時もあり、途中で辞めたいと思ったこともあります。
でも、最終的に卒業論文としてデータがまとまった時は、本当にうれしかったです。ソバ収穫後も土壌に養分が残っていることが分かり、焼畑農法の可能性を検証することができました。研究を通して土壌について学ぶことができ、また、怒田地区、立川地区の方々と知り合うこともできました。収穫したソバはとても美味しかったです。お世話になった方々に配ったとき「ありがとう」と言われ、この研究をしてよかったと思いました。
高大学在学中は、海外実習でタイに行ったり、先輩の土壌調査にマレーシアに付いて行ったりと、いろいろな経験ができました。個人的にインドに行き、マザーハウスでボランティアをしたのも思い出に残っています。大学には気さくな先生方が多く、研究室にお邪魔して相談にのってもらうことも多々ありました。また、友人たちとアパートで語り合った楽しい時間も、忘れることができません。
高知県は、海も山も川もあり、農学を学ぶ場所としてとてもよいフィールドです。4年間を高知で過ごし、ここが大好きになりました。卒業後も、また遊びに帰ってきたいと思います。そして、高知大学で学んだことを社会に出ても活かしていきたいです。