文部科学省特別経費プロジェクト

海洋性藻類を中心とした
地域バイオマスリファイナリーの実現に向けた新技術の創出

業績

第3回講演会(第43回高知大学アカデミアセミナー)
「バイオマスリファイナリーの最先端研究」を開催

 高知大学では、去る11月27日、H27年度に採択を受けた文科省・特別経費プロジェクト「海洋性藻類を中心とした地域バイオマスリファイナリーの実現のための新技術創出」の第3回シンポジウムを、高知大学アカデミアセミナーの一環として開催した。 今回は、これまでの大学本部および理学部のある朝倉キャンパスから、農学部のある物部キャンパスに場所を移し、「バイオマスリファイナリーの最先端研究」というテーマで行われた。
 シンポジウムは、大嶋俊一郎総合科学系長による開会挨拶に始まり、国立研究開発法人海洋研究開発機構(JAMSTEC)の大田ゆかり先生により、深海にすむ木材分解バクテリアの探索とバイオリファイナリーへの応用に関する研究成果が紹介された。 続いて、三重大学の野中寛先生による、木質バイオマスのリグニンをモノマー化合物に選択分解する研究、名古屋大学の神田英輝先生による、湿った状態のバイオマスから油状有用物質を省エネルギーで抽出するDME利用技術が紹介された。 最後は、九州大学の北岡卓也先生から、ナノセルロースの触媒材料などへの最近の応用研究成果が紹介された。本シンポジウムを通して、高知大学が有する藻類バイオマスの高度活用技術に関するオリジナルな技術シーズを確立することの重要性と、バイオマス資源の特異性を活かした材料もしくは技術を開発することの重要性が共通認識された。

[プログラム]
大田 ゆかり(国立研究開発法人海洋研究開発機構JAMSTEC海洋生命理工学研究開発センター)
 「海洋性バクテリアの陸域バイオマス代謝」
野中 寛(三重大学大学院生物資源学研究科)
 「リグニンを生かす木質バイオマスリファイナリー技術」
神田 英輝(名古屋大学大学院工学研究科化学・生物工学専攻、JSTさきがけ、JST/JICA SATREPS )
 「両親媒性液化有機ガスによる湿潤藻類からの油脂の直接抽出」
北岡 卓也(九州大学大学院農学研究院環境農学部門)
 「ナノセルロースが主役のマテリアル新機能創発」


特別経費プロジェクト
「海洋性藻類を中心とした地域バイオマスリファイナリーの実現のための新技術創出」
第1回講演会(第42回高知大学アカデミアセミナー)を開催

 高知大学では、去る4月30日、H27年度に採択を受けた文科省・特別経費プロジェクト「海洋性藻類を中心とした地域バイオマスリファイナリーの実現のための新技術創出」のキックオフシンポジウムを高知大学アカデミアセミナーの一環として開催した。
このプロジェクトでは、「高知発の海洋性バイオマス事業の実現に向けて」をテーマとし、理学部、農学部、医学部、人文学部、総合研究センターが主体となり、高知県および高知大学COC事業と連携することで、分野横断的な学術探究と地域活性化を目的としている。
 講演会では、田口博國研究担当理事による開会挨拶に始まり、恩田歩武プロジェクトリーダーから概要の説明があった。その後、高知県職員、高知大学教員らから、木質バイオマス事業の現状紹介、藻類の海上・陸上養殖、藻類の化学・微生物変換、藻類の抗アレルギー性に関する研究成果が発表された。本シンポジウムを通して、プロジェクトにおいて、藻類バイオマスの高度活用技術の向上と、地域において1次産業とバイオマス事業がタッグを組むことの重要性が共通認識された。

[プログラム]
小野田勝 (高知県林業振興・環境部)「高知県における木質バイオマスの取組について」
大野正夫 (高知大名誉教授)「熱帯性キリンサイの土佐湾での養殖技術と新規利用開発について」
椿俊太郎 (東工大院理工)「アオサ由来の多糖”ウルバン”の生産と利用」
大西浩平 (高知大生命環境科学部門)「大型藻類が持つ細胞壁硫酸化多糖の細菌による完全分解過程の解明」
富永明  (高知大黒潮圏科学部門)「藻類多糖体の抗アレルギー性炎症効果の解明:好酸球の炎症の場への移動抑制」
平岡雅規 (高知大黒潮圏科学部門)「海藻バイオマス陸上生産の現状と課題」

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