透析シャント血管の可視化に成功しました

2017年5月8日

 高知大学医学部と株式会社プラス・メッド(高知県高知市)は、共同研究により透析シャント血管を可視化する撮像装置(医療用カメラ)の開発に成功しました。共同研究チームは、これまで近赤外光を利用した血管可視化装置の開発を手がけ、手首の橈(とう)骨(こつ)動脈を可視化できる装置の製品化に成功していましたが、その装置では、透析シャント血管を可視化することができませんでした。
 慢性腎不全のため透析療法を受ける場合には、自身の動脈と静脈を繋ぐことによって血流量を増やしたシャント血管に留置針を挿入して、透析機器への送血および透析機器からの返血を行います。研究チームは、慢性透析患者では、皮膚表面での近赤外光の反射が強いことを見出し、これが、血管の可視化を困難にしていると考え、皮膚表面における近赤外反射光を抑制する撮像技術を開発しました。
 さらに、体内での散乱によって不鮮明となった近赤外光吸収像(血管画像)を最適に復元するために、株式会社日立産業制御ソリューションズの有する画像コントラスト復元技術および画像鮮明化技術を採用し画像処理基板を開発しました。
 ついで、株式会社プラス・メッドは、医療法人いずみの病院(高知県高知市)とともに、臨床研究をとおして改良作業を続け、透析シャント血管を観察可能な実用機の開発に成功しました。
 今後は、透析シャント血管の狭窄や閉塞等の評価や血管穿刺の支援に利用可能な医療機器として製品化する予定です。

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