免疫難病センターの研究論文が国際対がん連合(UICC)公式学術誌『International Journal of Cancer』に掲載されました

2017年11月1日

 免疫難病センターの仲哲治教授らの研究グループは大阪大学大学院医学系研究科産婦人科学教室との共同研究により子宮頸癌に対する新規治療法の開発を進めています。本研究では独自に同定した癌抗原であるGlypican-1(GPC1)を標的とした抗体薬物複合体(Antibody-drug conjugate; ADC)を開発し、その優れた有効性を動物モデルで明らかにしました。
 これまでに仲教授らの研究グループは食道扁平上皮癌の新規癌抗原としてGPC1を同定していました(Hara et al, 2016, BrJC)。本研究ではGPC1が癌細胞に特異的に高発現する事に着目して、独自に開発したGPC1に対するモノクローナル抗体に抗癌剤を結合させたADCを開発しました。そして、担癌マウスに対して本ADCを投与すると抗癌剤がGPC1陽性の癌細胞に選択的に輸送され、優れた抗腫瘍効果を発揮することを明らかにしました。従来の抗癌剤による治療は全身投与となるため正常組織への副作用が課題とされていましたが、本研究によるGPC1を標的としたADCはGPC1を発現する癌組織に抗癌剤が輸送されるのに対して、GPC1を発現していない正常組織へは輸送されないため抗癌剤の副作用が少ない新たな治療法に結びつくことが期待されます。
 これらの研究成果は、平成29年10月21日付、国際対がん連合(UICC)公式学術誌『International Journal of Cancer』にオンライン掲載されました。

 

論文名: Anti-glypican-1 antibody-drug conjugate exhibits potent preclinical antitumor activity against glypican-1 positive uterine cervical cancer

      抗glypican-1抗体薬物複合体はglypican-1陽性の子宮頸癌に対して強力な抗腫瘍効果を発揮する

 

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