医学部医学科微生物学講座の研究論文が米国感染症学会学術誌『The Journal of Infectious Diseases』に掲載されました

2017年11月28日

 医学部医学科微生物学講座 橋田裕美子助教、大畑雅典教授らによるヒト皮膚指向性ウイルスに関する研究成果が、『The Journal of Infectious Diseases』に掲載され、電子版が2017年11月17日に公開されました。
 外部環境に接する人体のあらゆる部位には様々なウイルスや細菌などの微生物が生息しています。皮膚にも微生物叢がありますが、皮膚指向性ウイルスが炎症性疾患や一部の皮膚がんに関与することがわかってきました。研究チームは、ヒトポリオーマウイルス6型および7型が我々の皮膚に普遍的に存在し、その感染ウイルス量は加齢とともに増加することを突き止めました。通常は健康に害を及ぼすことはないウイルスですが、免疫が抑制された状態では皮膚疾患をきたすことがあります。さらに研究チームは、ウイルスゲノム解析の結果、日本人皮膚に感染するこれらウイルスは欧米人など白人の皮膚に感染するウイルスとは異なる遺伝子型を示すことを初めて見出しました。これらは医学部微生物学講座で行われた独自の研究成果です。
 The Journal of Infectious Diseasesは1904年、米国感染症学会の学術誌として創刊された伝統のある医学誌で、世界の感染症分野をリードする一流の国際誌です。
 研究チームは、昨年2016年にも皮膚ウイルスに関する研究成果を同学術誌に発表しており(Hashida Y et al. Ecology of Merkel Cell Polyomavirus in Healthy Skin Among an Asian Cohort. The Journal of Infectious Diseases 213: 1708-1716, 2016.)、皮膚常在ウイルス群の生態と疾患発症との関係が解明されつつあります。
 論文名:Prevalence and Genetic Variability of Human Polyomaviruses 6 and 7 in Healthy Skin Among Asymptomatic Individuals
       (無症候性健康者皮膚におけるヒトポリオーマウイルス6型・7型の蔓延性と遺伝的変異)
       (DOI: 10.1093/infdis/jix516)
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