◆大学院黒潮圏総合科学専攻3年の瀨戸美文さん及び自然科学系理工学部門の比嘉基紀准教授ら研究チームの論文が「植生学会誌」に掲載されました

公開日 2025年2月5日

生育地が縮小・消失しつつある草原生植物の特徴(生態的特性)を解明

 

 大学院博士課程黒潮圏総合科学専攻3年の瀨戸美文さん及び自然科学系理工学部門の比嘉基紀准教授ら研究チームの論文が「植生学会誌」に掲載され、2025年1月31日に電子版が公開されました。

 

 刈り取りや火入れなどの人為的攪乱によって維持されてきた草地を「半自然草地」といいます。半自然草地はかつて萱場として利用され、人間の暮らしに欠かせない存在でした。しかし、近年の社会構造の変化に伴い、管理の放棄や人工林への転換が進み、半自然草地の面積は急速に縮小しました。

 半自然草地では、人為的攪乱に依存し個体群を維持してきた「草原生植物」が多数生育しており、春から秋にかけて美しく可憐な花が咲き誇ります。しかし、半自然草地の面積縮小に伴い、草原生植物の生育地が減少・消失し、多くの草原生植物が絶滅の危機に晒されています。

 

 瀨戸さんらの研究グループでは、植物の生態的特性(生長速度の速さや、種子散布方法など)が種ごとに異なることに着目し、半自然草地の管理放棄によって個体群がより早く消失する草原生植物の生態的特性を明らかにしました。本研究の成果は、草原生植物の保全計画の策定において、重要な役割を果たすことが期待されます。

 

 研究内容の詳細は、理工学部 生物科学科 植物生態学研究室のホームページにて紹介しています。ぜひご覧ください。

 

 

題 名:ネザサ型草地の管理放棄により減少する草原生植物の生態的特性

著 者:後藤田真衣1・瀨戸美文2・比嘉基紀1・石川愼吾3

所 属:1高知大学理工学部・2高知大学大学院総合人間自然科学研究科・3元高知大学理学部

D O I:https://doi.org/10.15031/vegsci.41.37

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