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前立腺癌に対するイリジウム192高線量率組織内照射療法(HDR)

前立腺癌に対する放射線療法

 明らかに転移がない前立腺癌に対する治療法のひとつに、放射線療法があります。しかし、これまで行われてきた外照射のみの治療法では、手術療法に比べて再発率の高さが問題となっています。この短所を克服するため、外照射に併用して、前立腺組織内照射が行われ、観察期間は短いものの、優れた効果を挙げています。わが国では、1994年1月より、転移のない前立腺癌患者さんに対して前立腺組織内照射および外照射併用療法が開始され、また本院においても、1999年6月より、わが国6番目の施設として本療法を開始しました。

高線量率組織内照射療法のスケジュール

 まず、入院していただき、麻酔をかけた後、アプリケーターとよばれる針を18本程度、会陰部より刺します。その後、針は刺したままで、当日に1回、翌日に1回、内照射を行います。治療終了後、針を抜き、止血処置を行います。必要な場合は、約3日後より外照射を開始し、月~金の週5回、約3週間行います。外照射については、基本的に外来通院で行います。退院してからは、1ヶ月に1回の診察と、3ヶ月に1回の血液検査、さらに、必要に応じてCTや骨シンチを行い、癌の転移や再発がないかどうか、経過を観察していきます。

高線量率組織内照射療法の効果と合併症

  • 当院におけるイリジウム192高線量率組織内照射療法の治療成績

 当科における本治療の治療成績は以下の通りです。手術療法、放射線療法いずれにせよ一長一短があり、患者さんひとりひとりにあった、最も良いと思われる治療法を、患者さんと共に考えて選択しているのが現状です。


 放射線療法とは前立腺を焼くと思っていただければよいのですが、その影響が膀胱・尿道・直腸にも現れることがあります。放射線治療中から治療後約3ヶ月の間に現れる急性期放射線障害の症状としては、排尿痛、頻尿、下痢、血便などがあります。また、頻度的には低いですが、数年後に晩発性の放射線障害が現れることがあります。症状としては、尿失禁、排尿障害、排便障害、肛門からの出血を起こすことがあり、重篤な場合は、人工肛門を造設することもあります。

  • アプリケーター(針)を刺した状態

  • 前立腺組織内照射の様子

  • 高線量率組織内照射時の
    モニター画面

  • 組織内照射治療計画の実際

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