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コラム -医療情報提供-

難治性喘息への対応の仕方

 気管支喘息とは気管支という息が通る管が狭くなり、息をするときにヒューヒュー、ゼーゼーと音がしたり、息が苦しくなること (ぜん息発作)を繰り返す病気です。
 治療には、大きく分けて長期管理薬(毎日続ける予防の薬)と発作時薬の2つがあります。また、気管支喘息の重症度は、発作の頻度や強さを評価して、最も軽い間欠型から軽症持続型、中等症持続型、重症持続型、さらに最重症持続型に分類されます。長期管理薬の使い方は、その重症度に応じてステップ1からステップ4の4段階に分けられますが、最も高いステップ4の治療を行っても良好なコントロールが得られない場合を難治性喘息と呼びます。難治性喘息に当てはまった場合、喘息の診断が間違っていないか評価が必要です。診断は合っているけれども、難治性喘息にあたる場合、治療困難な喘息と分類される患者さんがいます。その患者さんには、医師の指示通りの服薬ができてない方がいます。また、服薬はしているが、吸入薬の手技が不適切な方も少なくありません。吸入には、ネブライザー、定量吸入器(加圧噴霧式とドライパウダー)がありますが、それぞれ、手技が簡単、複雑、吸入時間が短い、長い、持ち運びが簡単、不便など利点欠点があります。患者さんに合った吸入薬を処方してもらうと良いでしょう。薬をつい忘れてしまう方は、忘れないコツのアドバイスをもらうことをお勧めします。
 また、難治性喘息に相当し、服薬をしっかりしている方には、鼻副鼻腔炎やアレルギー性鼻炎、肥満などの合併症があるために良くならない方もいます。その場合は、合併症の対策が必要になります。
 さらに、家庭環境に問題があれば喘息は良くなりません。受動喫煙やペット飼育、掃除など改善すべき問題を抱えている患者さんもいます。
 そのほか、心理的な問題を抱えている患者さんやその家族もいます。その場合、お子さんに服薬させること自体に家族は困っていますので、多職種によるチーム医療が必要になります。学童以上では長く入院し、院内学級に通って、喘息についても学びながら治療し改善をはかることもあります。
 以上のことを考慮して対策しても喘息のコントロールが得られない患者さんを真の重症喘息と言います。その場合は、患者さんに合った生物学的製剤という注射を使用したり、さらに高用量のステロイドを吸入したりします。


◎ 著者プロフィール
氏名:大石 拓(オオイシ タク)
所属:高知大学医学部附属病院 小児科 
役職:助教 

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