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コラム -医療情報提供-

突然眼が見えなくなった!?視神経の病気の話

 突然眼が見えなくなった、つまり急激な視力低下ですが、急激な視力低下の原因は重篤なものが多く、速やかに眼科を受診して検査を受けることが重要です。今回はこの中でも視神経の病気について紹介いたします。

■眼の構造と視神経
 視神経は、眼球の一番後ろにあり、網膜で集められた外界から光の情報を脳に伝える神経線維の集まりです。視神経になんらかの障害を起こす病気を視神経症と呼びます。

■視神経症の症状
・片眼または両眼の急激な視力の低下
・視野の真ん中が見えない中心暗点や上または下半分の視野障害
・眼球運動痛(眼球を動かすときの目の痛み)、目の圧迫感

■視神経症の分類、治療
 視神経に炎症や、虚血つまり視神経を栄養している血管の血流障害が原因となるものや腫瘍、外傷などで障害をきたすことにより視神経が傷害されます。

(1)特発性視神経炎(原因不明)
 視神経炎の原因の中では最も頻度が高いです。20代から50代の女性にやや多く、発症率は年間約10万人に1人です。
 症状は、比較的急激に、片眼または両眼の視力低下が生じます。眼球運動をさせると痛みを感じる場合が約半数あります。見ようとするところが見えない中心暗点型の症状が多いさまざまな視野障害をきたします。
 治療は副腎皮質ステロイドの大量点滴療法を行います。

(2)非動脈炎型虚血性視神経症
 視神経の栄養を与える血管に循環障害が起こる病気です。50歳以上で57−65歳に多く、性差はほぼありません。年間約10万人に2−10人発症します。
 症状は、急性、無痛性(90%以上)、持続性、片眼性の視力低下として発症します。眼球運動痛はなく、視力低下以外の全身症状はありません。原因は動脈硬化(糖尿病や高血圧など)、喫煙、睡眠時無呼吸などです。
 確立された有効な治療法はなく、3分の2の症例で視力回復はなく、3分の1の症例でわずかな視力回復がみられます。

(3)その他
 その他の原因として、圧迫性視神経症や、外傷性視神経症、薬剤などによる中毒性視神経症、遺伝性視神経症、など様々な原因があります。

■終わりに
 視神経の病気には様々原因があり、各種診察・検査を行う事で診断をし、治療を行います。普段は両眼で見ているためなかなか片眼の見え方が悪くなっても気が付きにくい事が多いです。たまに片眼を隠して、見え方が普段と変わりないか自分で確認することが重要です。急激な視力低下、視野障害をきたす疾患が多く、今回ご紹介した内容に当てはまるものがあれば、すぐに近くの眼科を受診するようにしましょう。


◎ 著者プロフィール
氏名:岸本 達真(キシモト タツマ)
所属:高知大学医学部附属病院 眼科
役職:特任助教

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