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コラム -医療情報提供-

ロコモのリハビリテーション

 ロコモティブシンドローム(以下、ロコモ)は、2007年に日本整形外科学会(以下、日整会)が提唱した概念であり、運動器の障害により要介護になるリスクが高い状態のことです。
 ロコモのスクリーニングツールであるロコチェックは、片脚立ちで靴下がはけない、家の中でつまずいたりすべったりする、階段を上がるのに手すりが必要である、15分くらい続けて歩くことができない、横断歩道を青信号で渡りきれない等の7つの質問で構成されています。一つでも該当すればロコモの疑いありとなり、誰でも使用できるツールとして積極的に活用すべきです。
 2013年にはロコモ度テストが公表されました。「ロコモ度テスト」は以下の 3 つのテストで成り立っています。 ① 下肢筋力判定方法:「立ち上がりテスト」 ② 歩幅判定方法:「2 ステップテスト」 ③ 身体状態・生活状況判定方法:「ロコモ 25」 3 つのテスト結果のそれぞれが、「自分の年齢の年代相応の数値結果」かどうかで判断します。いずれか一つでも、 自分の年齢の年代相応の数値結果に足りない場合は、「現時点また将来ロコモになる可能性がある」と判断されます。
 さらに2020年には、ロコモ度3の新しい臨床判断値が発表されました。ロコモ度3は、移動機能の低下が進行し、社会参加に支障を来たしている段階となります。より詳細な評価が可能となり、ロコモの臨床応用、研究推進がより一層期待されます。
 現在、コロナ禍のため高齢者の場合、感染すると重篤化し、死亡率が非常に高い、と繰り返し報道され、多くの高齢者は身体活動の我慢を強いられています。過度の行動自粛によって、高齢者の体力と気力が低下し、一気に老化が進む人が急増していることが注目されています。この状態を“私は”、“コロナロコモ”と考えています。
 ロコモを予防するためには、運動習慣をつけることが必要不可欠です。日整会ではロコモ対策となる運動として、①片脚立ち ②スクワット の 2 つの運動を基本とした「ロコモーショントレーニング(略称ロコトレ)」を推奨してきました。「片脚立ち」は、バランス能力や筋力を鍛えるためのトレーニングです。「スクワット」は、下半身全体の筋力を鍛えるためのトレーニングです。密を避け在宅で実践可能なロコトレを日々の生活に取り入れることでロコモ予防・改善を目指すことが重要です。


◎ 著者プロフィール
氏名:永野 靖典(ナガノ ヤスノリ)
所属:高知大学医学部附属病院 リハビリテーション部
役職:学内講師

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