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コラム -医療情報提供-

子どもたちに危険な薬の話

≪はじめに≫
我々はさまざまな物質とかかわりながら生活しています。その中で医薬品をお子さんが誤って服用してしまうケースがあります。

≪発生件数と発生状況≫
公益財団法人日本中毒情報センターによれば、2019年では、約3万件の相談があり、その中で医薬品に関する相談は約1万件で、5歳以下が、約8千件で8割近くを占めています。166例の小児の医薬品誤飲の報告では、1歳が4割、2歳が3割近くです。お薬の被処方者は、両親のお薬が約4割、祖父母のお薬が2割近くで本人の薬より多い割合です。

≪注意すべき医薬品の種類≫
薬の中には、1錠だけ服用でも、お子さんの生命を脅かす薬があります。
解熱鎮痛薬のバファリンは1錠当たりの成分含有用が多い種類があります。他に降圧薬、抗不整脈薬、血糖降下剤、抗精神病薬が要注意です。その中で降圧薬が一番頻度が高いです。

≪症状と応急処置≫
様々な症状がありますが、特に気分不快、不機嫌、あきらかに普段と違うなどです。他には嘔吐や下痢などの消化器症状などですが、意識レベルの低下は重症と判断されます。
応急処置は、間違って飲んだものを掻き出した、吐かせた、水を飲ませたなど、いろいろな報告がありますが、いまでは推奨されません。慌てず、かかりつけ医に連絡するか、消防機関、中毒情報センターに相談、もしくは速やかに病院受診されることが大切です。

≪病院での対応≫
催吐はしません。また胃洗浄などの除染も、その物質がまだ胃の中に残っていることが十分考えられて、今後体に重大な影響を及ぼす、と考えられる場合に、呼吸、循環を確認してから行います。

≪予防策≫
まずは家の中を整理整頓することです。ご本人のお薬だけでなく、ご家族のお薬の管理もしっかりされることが基本で保管方法の工夫も必要です。手の届かないところでも、台に上って取ることがあるので、引き出しや扉などには安全グッズを使用して、子供が開けられないようにすること、あとは子供への教育で、カラフルなものは、お菓子、飴ではないので絶対服用しない、などと教育することです。

≪最後に≫
普段の生活の中で、お子さんは常に中毒になる危険性があります。日本中毒情報センターではホームページで様々な情報を提供しているので、それらを普段から見て、知識を蓄えておくことは大切ですが、実際におきた場合は慌てず、自分だけで判断せず、消防機関、医療機関などに連絡して、早め早めの対応を心がけることが大切です。


◎ 著者プロフィール
氏名:宮内 雅人(ミヤウチ マサト)
所属:高知大学医学部附属病院 救急部
役職:准教授

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