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コラム -医療情報提供-

若者のインターネットやゲームへの依存

 近年、インターネットやゲームに過度にのめり込むことによって、社会生活に大きな支障をきたす若者が増えています。そして、コロナ禍においては、ますます増えているのではないかと懸念されています。
 インターネットやゲームの過度な利用は依存症であるという考え方があります。このような状態になると、様々な面で悪影響がみられます。睡眠や食事など生活リズムが乱れたり、ゲームの使用を制限されるとイライラして暴力的になってしまい家族など親しい人間関係が悪くなり孤立したり、ゲームに高額の課金をしてしまうケースもあります。疲れやすくなり、運動不足による体力低下など、身体にも悪影響を与えます。
 依存症の人には依存症特有の心理状態があります。まず、自分が依存症であると認めず、問題点を指摘されても自分が全て悪いわけではないと自分を正当化します。ただ、これらは本心でなく、本当はゲームをやめたい、ゲームの使用を減らさなければならないのにゲームをやめられないと理解はしており、矛盾する気持ちを持っています。したがって、依存症の対応に関しては予防が最も重要で、依存症になった場合には依存症に関する専門的な対応が必要になる場合もあります。
 予防に関しては、新しく自分のスマホやゲーム機を持つときが、ネットやゲームのルール作りのベストなタイミングです。保護者も子どももしっかりと意見を出し合い、お互いが納得し尊重できるルール作りをすることが大切です。薬物依存とは異なり、ネットやゲームの使用を全くなしてしまう方針は現実的ではありません。トラブルを避けて上手に使いこなすスキルを身につけることが重要で、学校やゲーム業界などの協力も不可欠です。
 ネットやゲームに依存している場合の対応に関しては、一方的にネットやゲームを取り上げようとすると、家族や周囲との人間関係が悪化し、子どもの孤立が深まり状況が悪化してしまうこともあります。子どもが孤立しないよう、学校や地域と連携をとり、場合によっては、市町村の相談窓口や県の精神保健福祉センター等に相談するのもよいでしょう。精神障害や発達障害が隠れている場合もあり、このような場合、精神科や児童精神科などの専門機関に相談するのがいいでしょう。
 若い人たちが、将来の社会での自立に向かっていけるよう、家族や教育、医療、行政、ゲーム業界など、関係者がよく連携して関ることが大事です。


◎ 著者プロフィール
氏名:大原 伸騎(オオハラ ノブキ)
所属:高知大学医学部児童青年期精神医学
役職:医員

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