Elonginは、RNAポリメラーゼII (Pol II) によるmRNA合成を調節する転写伸長因子の1つであり、伸長促進活性を有するAサブユニットと、それを正に制御するBおよびCサブユニットから成る三量体で構成されている。Elongin Aホモ欠失マウスは、アポトーシス亢進、早期細胞老化などにより胎生致死となることを報告した(1)。また、同胎仔由来のMEFで、複製をも阻害されていた (2) ことより、Elongin Aが伸長を停止したPol IIの分解処理に関与している可能性が出てきた。DNA傷害は、Pol IIのユビキチン化を誘導しプロテアソームによる分解へと導くことが知られている。最近、我々は、Elongin Aのこの過程への関与について解析を行い、Elongin Aが、Ser5リン酸化型Pol IIのユビキチン化と分解を制御するユビキチンリガーゼE3複合体の基質認識サブユニットとして機能することを明らかにした(3)。
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