すべての生物が生存してゆくための機能を担っているのは数千種から数万種に及ぶと考えられるタンパク質であり、 それぞれのタンパク質のもつ個別の機能の時間的・空間的相互作用によって、生物全体としての機能が発現されて いると考えられます。私達は、プロテオミクスというのは、ある生物種における機能性タンパク質同士の相互作用 の全体像を明らかにすることによって、生物機能を解明しようとする研究の方向であると考えています。このたび は、私達がプロテオミクス技術開発のためのタンパク質集合体モデルとして用いてきたヒト血漿の、タンパク質相 互作用の解析結果についてご紹介します。また、このようにして開発してきた非変性2次元電気泳動とMALDI-MSペ プチドマスフィンガープリント法の組み合わせが、大腸菌可溶性タンパク質の解析にも応用できるという結果につ いてもご紹介します。
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