第11回 KSGCセミナーのご案内



  講師:東海大学糖鎖科学研究所・所長
  鈴木 明身先生


演題:糖脂質の発現制御機構


日時:平成22年9月29日(水)17:00-19:00
場所:臨床第1講義室



 糖脂質の糖鎖・脂質構造は動物種特異的、あるいは組織特異的発現制御を受けている。 これらの特徴を生み出すメカニズムは、生合成に関与する酵素の発現制御に求めることができるが、 組織特異的転写制御のメカニズムは一部しか明らかになっていない。これまでの研究を振り返って、 明らかになったこと、まだ不明なことを以下点に関して、紹介する。
(1)糖脂質および糖タンパク 質の糖鎖構造GlcNAcβ1-6(Galβ1-3)GalNAcはマウス腎臓の近位尿細管上皮細胞で組織特異的発現制御 を受けている。この制御に関与するβ1-6GlcNAc転移酵素は、酵素遺伝子5’上流にある繰り返し配列で、 転写制御を受けている。
(2)小腸上皮細胞、腎臓尿細管上皮細胞微絨毛膜には脂質部分が水酸化されて いる糖脂質が特異的に存在する。この水酸化は脂質dihydroceramideのsphinganine C4位を水酸化する酵素 Des2により行われている。
(3)ヒトではN-グリコリルノイラミン酸(NeuGc)を持つ糖鎖が欠損するが、 この現象はNeuGc生合成の律速酵素であるCMP-N-アセチルノイラミン酸水酸化酵素遺伝子のヒト特異的な欠損による。


*本セミナーは、大学院DCセミナーを兼ねます。




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