筋弛緩剤の紛失について

 このことについて、2月26日に本院ホームページにて、事実経過を報告し、引き続き追跡調査を行っておりましたが、紛失した筋弛緩剤は現在も発見されておりません。また、この薬剤に関係すると思われる事件等も報告されておりません。紛失後に行った警察及び本院の調査結果により、外部へ持ち出された可能性は極めて低いと判断されており、何らかの原因で医療廃棄物中に混入し、院内施設での粉砕、無毒化処理を終えているのではと考えております。
 本院では、筋弛緩剤については、その管理、チェック体制に万全を図ってまいりました。
  1. 薬剤部内で鍵のかかる薬品庫で在庫管理をしています。
  2. 10数種類の麻酔用薬剤用に仕切りされたトレイ内でそれぞれの本数を薬剤師が数えて確認します。
  3. トレイは鍵のかかる移送車に格納し、手術部内薬品庫へ運びます。
  4. 手術部内薬品庫で麻酔医が2人で移送車を開錠し、トレイ内の薬剤の本数を声出し指さし確認後、確認サインを残し、トレイごと手術室内の麻酔カートへ運びます。
  5. 手術終了後、トレイ内の残存バイアル(アンプル)と使用済空バイアル(アンプル)の数を麻酔医と看護師が確認して、その日の使用本数を記録し、サインを残します。
  6. トレイは再び鍵のかかる移送車に格納し薬剤部へ運びます。
  7. 薬剤師が使用本数と空バイアル(アンプル)数をチェックします。
  8. 合っていれば1に戻ります。
  9. 合っていなければ、麻酔科へ連絡して、麻酔記録と突合します。
  10. 使用本数等が間違っていれば、複数名でそのことを確認し、修正します。
  11. 使用本数と在庫数は薬剤部内と流通部門に記録が残ります。

以上が今回の紛失事故までのマニュアルで、今回はの段階で数が合わなくなりました。

 

今回のような事態が発生したことを受け、以下のように薬剤のチェック体制等の改善を行いました。

手術部で使用する薬剤トレイの仕切り内を、数量を確認しやすいように変更しました。 薬剤の使用前・使用後に、薬剤数量を確認するためのチェックリストに変更を加えました。  この件については、みなさまには大変なご心配、ご迷惑をおかけして誠に申し訳ありません。今後二度とこのようなことを起こさないよう、万全を期すとともに、安全で良質な医療の提供に努めてまいりますので、ご理解・ご協力のほど、よろしくお願い申し上げます。

平成19年4月3日

高知大学医学部付属病院長
倉 本  秋


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