梅雨時の円石藻(6月)


 梅雨に入ってしばらくすると,鳥取中部の沿岸にはBraarudosphaera bigelowii という円石藻が現れます。このBraarudosphaera bigelowii は,恐竜などが生きていた白亜紀後期(約9000万年前)までさかのぼる化石記録をもち,「円石藻の生きている化石」と呼ばれています。泊港でこのBraaurdosphaera bigelowii が現れるのは,6月中旬のごく限られた期間だけですが,生息密度は高い時では一リットルあたり8000個体に達します。これは世界中で確認されている中では,最も高い密度です。

 Braaurdosphaera bigelowii 現れて1-2週間すると,Syracosphaera などの円石藻が増えてきます。
 梅雨明けまでのしばらくのあいだ,泊港周辺では円石藻の密度が一リットルあたり1万個体以上を超える状態が続きます。

泊港の梅雨時の円石藻(走査型電子顕微鏡写真)