冬のチロル
今回の出張は、初めての一人旅です。そしてヨーロッパ大陸発上陸。
日程: 2003.1.10-2003.1.24
旅程: Osaka->Vienna->Munich->Zurich->Vienna->Osaka
ドイツ、スイス、オーストリアともにドイツ語圏なので、雰囲気も似ていると予想していましたが、実際に行って見ると、全く違っていました。そんな対比も含めての、メモのような旅行記です。
各都市の記述に入る前に、先に全体の印象から述べます。ロンドン市内での移動は有名な二階建てバスを頻繁に使いますが、今回の旅では、地下鉄と路面電車を利用します。やはり改札は無人で、中で不定期にある検察でのチェックのみです。切符は時刻を刻印して乗らなければならないのですが、切符を買っている人も刻印機を使っているもほとんど見かけません。みんな無賃乗車??と思ってしまいます。逆に言うと自由に出入りできるので、東京駅のように大回りして駅の逆側に行くことは無いわけです。
たびの準備に関してですが、飲み水が一番心配でした。が、実際には蛇口をひねるとアルプスの雪解け水が出てくる状態で、水は一度も買いませんでした。問題は、湯が沸かせないことです。余り不便は感じませんでしたが、持っていった即席味噌汁はただの荷物でした。アメリカ合衆国では、ほとんどのホテルにコーヒーメーカーがあるので、それを利用してお湯が沸かせるのですが、ヨーロッパでは携帯の湯沸し器が必要です。
気温に関しては、旅の前半は最高気温が−5度の日が数日ありました。雪も結構降りました。足元は悪かったです。すぐに雪かきをしてくれますが。とにかく寒さは足元から来るので、冬にヨーロッパに行かれる方は、ぜひいいブーツを持っていってください。その次は帽子ですかね。頭の防寒は重要です。冬のヨーロッパは寒くて日照時間が短いとガイドブックに書いてありますが、私の場合は十分でした。朝8時から夜6時までは何とか明るく、残りの時間は屋内でゆっくり過ごすのがお勧めです。何と言っても、航空運賃も安いですからね。
ヨーロッパでは時を知らせてくれる鐘の音が残っています。これは日本が江戸時代に置いてきてしまったものです。ヨーロッパの鐘の音は祝福の印象があるのに対して、日本の鐘の音は、どこか厳粛な印象がありませんか?役割は同じなのに、ふしぎですね。
テレビをつけると、ほとんどのチャンネルは当然ドイツ語ですが、CNNは英語で聞けます。CNNでニュースを聞いて、日本のアニメをドイツ語で聞く、そんな感じで過ごしていました。ドイツ語で話すハイジが本当は正当なんですよね(笑)。その他、名探偵コナンをやってました。
ミュンヘン(Munich)
Dunkels Bier und Weiss Brust
ミュンヘン空港からは、近郊電車Sバーンでミュンヘン市内に入ります。電車はきれいで案内も分かりやすく、観光客に優しい造りです。空港からのSバーンの経路も2系統あるので、非常に便利です。両方を合わせると、一時間に6本、所要時間は約40分、4ZONEで8ユーロです。
宿泊したホテルは、ミュンヘン中央駅(Hauptbahnhof)の北側に隣接する4つ星ホテル、Astron Hotel Munchen Deutscher Kaiserの12階です。階の数え方はやはり2階がFirst Floorです。気をつけないと混乱します。ホテルの予約はWeb上のホテル予約センターで行いました。安くて便利です。予約はこちらから http://www.hotelcentral.com。ホテルの概観と部屋から見た夜の市内の眺めはこんな感じです。
そしてこちらは夜明け
ミュンヘンの市街地は、中央駅より東に伸びていて、歩いて回ることも可能です。繁華街はマリエン広場Marien Plazを中心に広がっています。
主要な建物は、新市庁舎とフラウエン寺院、
フラウエン寺院を西から望む。
ミュンヘンといえばやはりビールとソーセージですね。特にバイエルン地方のDunkels Bierは格別です。Donislというお店で飲んでました。これは本当においしい。日本でも作れないんでしょうか。さらにゆでた白いソーセージWeiss Burstもおいしい。Donislはこのソーセージが有名で、昼にしか食べられませんが、また食べたいです。とにかく昼からビール飲んでいる人も多いので、僕も気にせず昼から飲んでいました。
その他の印象としては、物価が安いです。乳製品は日本の半額以下、高品質のクラシックCDも日本の半額、思わず買ってしまいました。道路標識は日本のものとほぼ同一で、大変理解しやすいです。タクシーはクリーム色のベンツです。
ガルミッシューパルテンキルヘン(Garmisch-Partenkirchen)
ミュンヘンから電車で一時間とちょっと、ここは戦前の冬季五輪の開催地で、ドイツ最高峰のZukspizeがあります。この地からイタリアのフィレンツェへ抜ける道はブレンナー峠と呼ばれ、もっとも標高が低いところで、その昔ナポレオンが奇襲作戦に使った道です。ここからオーストリアのインスブルックInnsbruckには電車でもう一時間半、国境まで近いです。
学会会場から望むZukspizeと近影。
チューリヒ(Zurich)とザンクトガレン(St. Gallen)
スイスでは、物価の高さに閉口して、レストランでまともに食事を取ったことはありませんでした。パンとワインを仕入れてホテルの部屋で食事というのがもっぱらですが、それで十分です。
チューリヒというととてもきれいな印象がありますが、私の第一印象は、落書きの多さでした。確かに、チューリヒ空港から電車で15分、そして10分間隔という、世界的に見ても利便性に優れた都市であることは間違いありません。しかし、落書き、道路に散乱した吸殻、さまざまな人種(私を含め)を目の前にすると、星条旗の国が頭をよぎります。
チューリヒ中央駅入り口。奥がプラットホーム。

駅の北東から川沿いに南北を取った写真。左の写真の右の木立に隠れているのが中央駅です。
ザンクトガレンへはチューリヒから特急で一時間。30分間隔で特急が中央駅から出発します。スイスの特急はきれいです。サイズが大きめなので、二等車でも十分。

この町はチューリヒとは対照的で、古い町並みが残っています。城壁都市の名残もまだあり、旧市街地を中心に同心円に近い形をしています。それにあわせて建物も少しずつ向きを変えています。ここにはスイスの標準物質を作成している研究所EMPAがあります。

聖ロレンツォ教会を大聖堂側から望む。
ウィーン(Vienna)
森の都、そして音楽の都、ウィーン。さぞかしきれいだと思っていたのですが、地下鉄と国鉄はそんなにきれいではありませんでした。構内を含めて。町自体は普通ですかね。とにかく地下鉄の構内はこんなんで大丈夫?という印象でした。ここは日本へのフライトの待ち時間で寄っただけなので、駆け足でした。

町のシンボルであるシュテファン寺院。第二次大戦中はレジスタンスの活動の拠点でした。ここは印象深いです。

市立公園内には音楽家の像が点在しています。写真左奥にはヨハンシュトラウス像が小さく見えます。彼だけ金ぴかです。右は、公園に隣接する、ベートーベンの像。やっと会えましたね。

そして忘れてはならないのが、ウィーンのケーキ。店は閉店になっても、ショーウィンドウはこうやってライトアップされています。なぜか日本の番傘が見えますね。