地球を知り未来をさぐる
〜高知発!!最先端地球科学〜
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高知市民の大学_75_自然科学コース
「活断層」は近い将来に動く恐れがある断層(1*)のことであり,今やテレビ,新聞,インターネットで頻繁に目にする言葉である.日本列島には,2,000を超える活断層がこれまで報告されている.未発見のものはそれよりもはるかに多い.従って,日本で暮らすからには活断層の特徴を知り,うまく付き合っていくしかない.
活断層を知る第一歩は,地下にある活断層を見つけることである.しかし,断層の有無を明らかにすることは簡単ではなく,断層を見つけたとしてもそれが近い将来動くかどうかを判断することはさらに難しい.現状では,最先端の知識と技術を持ってしても活断層か分からない断層は多い.そんな中,活断層を見つける様々な方法が考え出され,それにより活断層についての情報は日々蓄積されている.
(1*):地下の岩盤がズレてできた境界
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[地震の成因と活断層の歴史]
▼古代ギリシャ〜1900年頃
→さまざまな説 (爆発説が有力)
→地震の原因が断層なのか?地震の結果が断層なのか?
▼1891年 濃尾地震(M=8.0)
→小藤文二郎が断層説を主張.
▼1906年 サンフランシスコ地震
→欧米で断層説主張.
▼1972年
→「活断層」という用語が登場.
▼1930年代
→日本でも断層説を主張 (1960年代後半に定着)
▼1974年 伊豆半島沖地震
→石廊崎断層が動く.既知の活断層が初めて動く.
▼1995年 兵庫県南部地震
→野島断層が動く.活断層が注目される.
[活断層の例:根尾谷断層(岐阜県)]
[断層の年齢を調べる]
▲ 炭素放射年代,化石,人工物…
[まとめ]
▲断層の年齢を調べる.
▲ほとんどの断層が活断層かは分からない.
▲力のかかり具合,断層の大きさ,断層周辺の地質(物質)が活断層の評価に役立つ?
▲見つかっていない断層は沢山ある,
▲活断層を見つける手法の開発,情報の蓄積は現在進行中.
藤内智士
高知大学理学部
助教(専門:構造地質学)
【略歴】
1.大分県大分市出身
2.九州大学理学部地球惑星科学科
3.九州大学大学院理学部地球惑星科学専攻
4.東京大学大学院理学系研究科博士課程 地球惑星科学専攻(理学博士)
5.日本学術振興会特別研究員 PD(京都大学)
6.独立行政法人産業技術総合研究所 契約職員
7.高知大学教育研究部自然科学系理学部門 助教
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【趣味】野球,登山,相撲
活断層の見つけ方