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Phylum Chaetognatha 毛顎動物門(約130**)海産で肉食性 底生性の1属を除き,浮遊性,体長は数mmから数cm
  *ギリシャ語:“chaite=長い毛”+“gnathos=顎”の意味.ヤムシ類,英名は arrow worms
*藤田(2010)では胴部や尾部の横走筋の有無で3目に分類:両膜筋目,単膜筋目(底生性のイソヤムシ Spadella を含む),そして無膜筋目


おもな特徴
1.真体腔で左右相称,体は拝復にやや扁平な円筒で,頭部,胴部および尾部に分かれる
2.1〜2対の側鰭と尾鰭をもつ
3.口は体の前端に開き、顎毛と歯をもつ *成体の口は原口に由来しない
4.消化管はよく直走し,肛門は腹部に開口する(尾部隔壁膜の直前)
5.頭部背面に1対の眼,はしご状に似た神経系で脳神経節と腹神経節をもつ
6.体の内部は横隔膜により3分され,縦隔膜により左右2分される
7.体壁に縦走筋をもつが,環状筋をもたない
8.循環系,ガス交換系,排出系はない *循環系として血洞系(けっとうけい hemal system)をもつ種が見られる
9.雌雄同体で,直接発生,卵割はらせん型に近い(放射型といわれていた)

系統 他の後口動物と姉妹群関係とならず,系統的位置は確定していない


Hiromitsu Endo