暑中お見舞い申し上げます
ご無沙汰しております。
お元気でしょうか。

4月にようやく海中の調査に一応の区切りをつけ(まだ9月に数カ所残っているので
すが)、それ以降海藻利用調査のため、インドシナ半島の最南端のカーマウからベト
ナム各地をバイクで回っています。

ラオスとの境にあるディエンビエンフーという町にきました。
雨季の最中、無理して来たディエンビエンフーですが、まあ遠かったです。
今までは、いくらなんでも1日走れば次の省都に移動できたのですが、ここではハノ
イからソンラーという省都に行くのに2日、それからディエンビエンフーという省都
に行くのにまた二日。
さすが辺境と呼ばれるだけあります。

しかし、昨日、ディエンビエンフーからライチョウ・ラオカイに抜ける国道を走って
からは、ハノイからディエンビエンフー間の道は遠いけれどまがりなりにも舗装して
あるし、ずっとずっとましだったということがわかりました。

ぬかるみと土砂崩れだらけで、とんでもありませんでした。
この一週間で数名土砂崩れに飲まれて死んだそうです。
雨季のせいもあるのでしょうが、とにかく走っている4輪車はバスかトラックかジー
プタイプの車高が高いものがほとんどです。
ハノイ〜ディエンビエンフー間はバンも走ってましたが、この道では苦しいですね、
きっと。
愛車のエンジェル(台湾製80ccカブ)にも、無理してもらってます。

もちろん無理しなくても、飛行機でディエンビエンフーに飛んで調査するという手も
ありました。
いずれにしても、できあがるのは海藻利用の図、たった一枚ですので。
これを作るだけのためにバイクで走り回るのは、ずいぶんと時間の無駄で生産効率が
悪いと言われることもあります。
しかしバスやトラックが中心のベトナムの物流で、その町に至る途中の道路事情や走っ
ている車の種類、どこから来ているのか、どんなものが運ばれているのかなどを、実
際その道を走って身をもって知っておくことは、博士論文作成の際に図や文章には現
れないが重要なことではないかと思ったからです。

ディエンビエンフー〜ラオカイ間の東西の物の流れは、よっぽど重要なものでないか
ぎり少ないようです。
実際海藻類からみても、ディエンビエンフー方面ではハノイ・ホアビン・ソンラー・
ディエンビエンフーという一連の国道沿いの省の市場でオゴノリ類が売られているの
に対して、ラオカイ方面ではイェンバイ・ラオカイでその販売・利用がとぎれます。
これも、今走っている道路事情を考えれば、納得がいきます。

これからハノイにもどり、さらに南下して、中部各地を調査し、9月に帰国する予定
です。

写真を添付します。
ベトナム西北部の雰囲気がお伝えできますかどうか・・・

筒井 功

(C) 2002 TSUTSUI, Isao

左から右、上から下の順で・・
1;八百屋
2;バラ(つぼみが開かないように新聞紙でつぼみがくるまれてます)
3;空芯菜の畑
4;棚田
5;川で洗車する人たち
6;畑作業の合間に水タバコで一服する農夫
7;小川を堰とめて手づかみで魚を捕る少年たち
8;急流に簡易水力発電器が設置してあります
9;海産魚は主に干物として売られていました
10;野いちご??
11;陸稲・タピオカ・トウモロコシの畑
12;黒ターイ族の家の囲炉裏とトウモロコシの縁起物(正月ごとに交換ようです)
13;黒ターイ族の女性(既婚者は右の女性の様に髪を頭の上でまとめるとのこと)
14;トウモロコシを収穫して帰ってきた黒ターイ族の女性
15;ディエンビエンフーで売っていたオゴノリ類
16;水浴びする水牛の子供