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ミクロな化石で探る南極氷床発達史 〜国際深海科学掘削計画による南極大陸縁辺掘削〜

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掘削船上風景(Science電子版ニュース記事2019-4-15より)
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鮮新世温暖期の南極氷床(シミュレーション)と,主な深海掘削航海
取組概要

 近年南極氷床の融解・流出が加速、急激な海水準上昇が懸念されています。ところが氷床融解メカニズムは未知な点が多いことから、氷床縁辺堆積物から氷床の盛衰履歴を紐解き、シミュレーションによる未来予測・リスクマネジメントをより良いものにしようと日々努力が続けられています。南極大陸陸棚縁辺の深海掘削(DSDP-ODP-IODP)はその代表例で、これまで多くの調査航海が実施されて来ました。

 海の主要一次生産者として知られる珪藻は、わずか0.1ミリほどの大きさですが、1グラムの堆積物に百万単位の化石として残り、年代決定・環境復元を通じ氷床動態解析に重要な役割を果たします。高知大学では複数航海に珪藻化石の乗船研究者を送り込み、陸棚の地形が南極半島氷床発達史に大きく関わってきたこと(Overdeepening仮説)や、従来安定と考えられてきた東南極氷床の一部は、わずか300-500万年前の鮮新世温暖期においても、ダイナミックに変動してきたこと等を、学部学生らも加わり明らかにしてきています。

今後の展開

 現在氷床融解・流出が最も顕著に観測されている西南極アムンゼン海(Exp.379)の研究を科研費で進めており、2022年度には他航海乗船者と協働した国際誌特集号も計画されています。

担当者
  • 教授
    岩井 雅夫
    高知大学 教育研究部 自然科学系 理工学部門
    高知大学 海洋コア総合研究センター
パートナーシップ
乗船研究者・学部学生らとの共同研究
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