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第四紀の気候変動と海産貝類の絶滅

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絶滅種モミジツキヒガイ
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絶滅種トウキョウホタテ
取組概要

 鮮新世末の温暖期(約300万年前)以降,地球規模の寒冷化の進行と共に,日本列島沿岸海域の貝類(軟体動物)は絶滅と進化を繰り返し現在に至っている.しかし,その詳細は意外なほど理解されておらず,現在進行しつつある深刻な気候変動から海の生物多様性を守るための基礎知識が不足している.このような中,イタヤガイ科,およびタマキガイ科の二枚貝を中心に,貝殻に記録された日輪を手がかりとして,微細成長解析,酸素同位体分析,および元素分析を通して気候変動と絶滅・進化の関連を研究している.

 これまで,トドロキガイ—タマキガイ進化系列,キサゴ進化系列,ダンベイキサゴ進化系列,トウキョウホタテガイ種群,イタヤガイ類,等について研究を進めてきた.その結果,第四紀の中で絶滅が起こったタイミングやその背景が明らかになりつつある.


今後の展開

 現在研究を進めているイタヤガイ類について,時代と地域を広げて分析を継続するほか,我が国の重要な水産資源でもあるホタテガイを含むホタテガイ種群についての研究を進める予定である.このようにして,黒潮沿岸海域,親潮沿岸海域,および日本海沿岸海域も含め,チバニアン期(77〜13万年前)など、比較的最近の地質時代に起きた絶滅の背景・原因を解明し,今後の気候変動危機に備えるための手がかりとしたい.

担当者
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