さらなるステップアップを目指して新たなステージへ!

高知大学医学部放射線診断・IVR学講座 教授 山上 卓士

 CT、MRIなどの画像診断装置の急速な進歩により、得られる情報量が加速度的に増えたことにより、これを解析して疾患の情報を各診療科に伝える画像診断医はきわめて重要な役割を担うようになりました。また社会の高齢化が進み、より低侵襲な治療が求められるようになった結果、体を切らないやさしい治療であるInterventional Radiology(IVR)がますます注目されるようになってきました。専門医が、画像情報を的確に各診療科に伝えることにより治療成績の向上につながります。専門医が高度なIVRを提供することにより、治療の選択肢が広がり、治療の精度が高まります。放射線診断科は画像診断、IVRの各分野で、各診療科の診療に関わり病院で行われるほぼすべての診療を支えています。
 高知大学医学部放射線診断・IVR学講座では、先進的な試みとして、腫瘍に対する凍結療法や血管腫・血管奇形に対するIVR、FDG以外の核種を用いたPET-CT診断などに取り組んでおり、全国的にも注目されています。また最近話題のAIを取り入れた画像診断も始めています。
 大学病院には教育、診療、研究の3つの大きな役割があります。2014年11月に私が当講座の教授に着任して以降、これらそれぞれの役割を果たす環境が徐々に整ってきました。新たなステージでは、優秀な若い放射線科医を数多く輩出することによって高知の医療の発展に貢献してまいります。また研究体制を充実させて、高度な放射線診断学の情報を高知から全国、さらには世界に向けて発信していきたいと思っています。



教室の歴史
歴代教授写真 左から、第3代教授 小川恭弘、第2代教授 吉田祥二、初代 前田知穂、現教授 山上卓士

 高知大学医学部の前身の高知医科大学は昭和51年(1976)年国立の医科単科大学として発足し昭和59年(1984年)大学院医学研究科が設置されました。平成15年(2003年)高知大学と統合し、高知大学医学部となりました。
 放射線医学講座は昭和55年(1980年)4月に開講し、前田知穂が初代教授に就任しました。当時は所属医師が2名だけの小さな教室でしたが、その後50名超が入局し、県内外で活躍しています。平成5年(1993年)1月から第2代教授吉田祥二が、平成17年(2005年)5月から第3代教授小川恭弘が引き継ぎ、平成26年(2014年)11月に現在の山上卓士が第4代教授に就任しました。また、令和3年(2021年)12月に放射線治療分野を担当する放射線腫瘍学講座(木村智樹教授、令和2年12月就任)が分離したことに伴い、放射線診断・IVR学講座に名称が変わりました。




トップに戻る