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「碁石茶」天然資源の医療への応用

碁石茶は、高知県長岡郡大豊町にのみ伝承されてきた二段階(一段階目は好気的なカビ付け、二段階目は嫌気的な乳酸発酵)の微生物発酵茶である。そのような背景の中、高知県、高知大学、大豊町の共同研究により「@製造方法の高位平準化」「A食品機能学的な付加価値の追求」「B機能性因子と製造条件との連関」を中心に検討を重ね、平成19年2月には上記の成果を基にして、(財)食品産業センターの地域食品ブランド表示基準『本場の本物』の認証を取得した。 また、下記に示すような、外部資金の獲得にも積極的に申請し、選定されている。


  平成19年度「全国都市再生モデル調査事業」
  平成21年度「地方の元気再生事業」
  平成22年度「地域ブランド化・新需要創造支援事業(新需要創造フロンティア育成事業) 」


○機能性の検討

抗酸化活性と活性成分解析
碁石茶は、カテキン類の含有量は緑茶よりも少ないにもかかわらず、碁石茶は緑茶並の抗酸化活性を示す。碁石茶独自の主要な抗酸化成分として、ピロガロールを同定した。

動物実験によるコレステロール低減作用
脂質異常症・動脈硬化症モデル家兎、メタボリックシンドロームモデルマウスに投与し、それぞれの疾患に対して予防効果が認められた。


○臨床試験

碁石茶の摂取による
インフルエンザの予防効果に対する臨床試験

「碁石茶摂取によるインフルエンザ予防効果に関する検討」という研究課題で、高知大学医学部平成21年度第6回倫理委員会(平成21年9月30日開催)の審議、承認を受けた。

インフルエンザウイルスに対して顕著は抗ウイルス活性を持つという報告を受け、中山間地域の中学校にて、碁石茶の摂取によるインフルエンザ予防効果についての臨床試験を行った。その結果、碁石茶は、インフルエンザの罹患を遅延させた。本調査は、予備的な調査として位置付けられる。


今回の結果を基に、今後、さらに、臨床試験プロコントロールを細部に渉り熟考し、綿密な計画の下に、対象範囲を拡大、継続していく予定である。


※研究内容が紹介されました。(平成24年3月14日・15日高知新聞)
平成24年3月14日・15日高知新聞



「生姜・漢方薬」天然資源の医療への応用

○生姜

古来より、その消化管機能改善作用が明らかとなっている。また漢方製剤にも配合され る生姜は、高知県の特産品の一つであり、県産業振興計画のなかでも、高知県工業技術センター、高知大学医学部等が中心となり、品質改良、ピロリ菌に対する効果等について、検討がなされ、注目されている素材である。



薬剤部では、生姜の機能性成分であるジンゲロール、ショウガオールに注目し、高齢者の誤嚥や摂食障害の予防を目的とした生姜を配合した口腔内崩壊錠を作製し、唾液中サブスタンスP量を指標とした生姜による嚥下機能改善効果に関する報告を行っている。現在、機能性食品への届け出に向けて、検討を行っている。

特許 第6032598号 「嚥下機能改善剤」

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