メディカルスタッフ部門における実習・研修プログラム

高知大学医学部附属病院は昭和56年10月12日に開院以来、「地域に密着した病院づくり」を掲げ、医療人の育成、高度先進医療の提供、医学研究の成果を医療に還元するという3つの使命を持った病院として歩んでまいりました。


県内唯一の医育機関である私たちの病院は、最高水準の全人的医療を提供するとともに専門的知識のみならず総合的視野を持ち、医療現場でのコミュニケーション能力を発揮できる医療人を養成しなければならないと考えております。質が高く、安心で安全な医療を求める国民の声が高まる一方、医療の高度化や高齢化社会の到来により医療は複雑化し、医療現場は過剰な臨床業務に追われています。

そこで、多種多様な医療スタッフが各々の専門性を活かしつつ情報を共有し、業務を分担・連携して患者さんの状態に応じた医療を提供する「チーム医療」が重要となります。これにより医療の質と効率性が向上し、各医療職種の負担軽減により労働環境も改善でき、また専門性の高い多職種によるチーム医療の推進は、良質で効率的な医療を推進するうえでも大いに役立ちます。

しかし、医療人が身につけるべき知識は日々更新され、更新のスピードも速くなり、知識の幅も広がっています。知識量自体、いまや授業の枠の中で学習できるものではなくなってきました。先端の知識に「keep on」していく技能と態度・習慣を身につけるには継続学習・生涯学習が重要となります。社会に出た人たちがいつでも教育機関に立ち寄ることを可能にするのがリカレント学習です。私たちは、リカレント学習に来てよかったと感じていただける教育機関でありたいと考えています。

私たちのスタッフが皆さんに実務の中で学ぶ環境を提供し、リカレント学習を終えた皆さんが医療人として「step up」 し、そしてチーム医療とは何かを考え、教えることのできる専門職種として他の職種と協働しながら、さらに活躍していただけることを願っています。

2018年11月
高知大学医学部附属病院長