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Phylum Ctenophora 有櫛動物門(ゆうしつ)(143種*; ギリシャ語:ktenos=櫛,phoros=もっている; 英名 comb jellies)
 Class Tentaculata 有触手綱
  Order Cydippida フウセンクラゲ目(7科約30種)
  Order Platyctida クシヒラムシ目(4科約30種)
  Order Lobata カブトクラゲ目(6科約25種)
  Order Ganeshida ミナミカブトクラゲ目(1科2種)
  Order Thalassocalycida ウミガククシクラゲ目(1科1種)
  Order Cestida オビクラゲ目(1科5種)
 Class Nuda 無触手綱
  Order Beroida ウリクラゲ目(1科約50種)


おもな特徴
1.体は基本的には二放射相称(体軸は口−反口軸).いくつかの種は2本の長い触手をもつ.
2.体は半透明のゼラチン状で,外・内葉性と中胚葉性由来の厚い間充織の3層からなる.
  *筋肉系は間充織細胞から形成される.
3.胃腔と胃水管腔をもち,胃水管系が発達する.
4.口と反対側に2つの肛門孔(排出孔)をもつ.
5.触手には粘液細胞を備えた膠胞(こうほう colloblasts)をもつ.
6.何万から何十万本の繊毛からなる櫛板(くしいた combs or ctenes)をもち,8列の櫛板は体表に放射状に並ぶ.
  *繊毛で移動する最大の後生動物
7 .呼吸器系,循環器系および排出系がない.
8.散在神経系を備え,反口端に1個の感覚器官(平衡胞)をもつ.
9.すべての種が海産で,ほとんどが漂泳性.
10.世代交代をせず,単一の体型で,ほとんどの種が雌雄同体.
11.有触手類は風船クラゲ型幼生を経る.
12.多くの種が発光する.
13.肉食性で,膠胞により動物プランクトン,オキアミ類や仔稚魚を捕らえる.

体サイズ:通常は数十センチ,オビクラゲ類は2メートルに達する.

反復成熟:幼体で一度成熟し(その後生殖器官が退化),成体で再度成熟する.

盗刺胞:フウセンクラゲモドキ Haeckelia rubra はヒドロクラゲ類を食べ,その刺胞を消化せずに武器として利用する.
  *盗刺胞は軟体動物のウミウシ類でも見られる.

系統:

化石記録:デボン紀


リンク
ウリクラゲ(新江ノ島水族館)


参考文献

藤田敏彦.2010.新・生命科学シリーズ 動物の系統分類と進化.裳華房.194pp.


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H. Endo