分類体系のページへ戻る

Phylum Cycliophora 有輪動物門(ゆうりん)*ギリシャ語で cyclion=小さな車輪,phoros=もつの意味
*1995年12月に設立された動物門で,
現在Symbion 属の2種が知られ,1未記載種の存在が明らかとなった. 
Symbion pandra Kristensen and Funch, 1995 パンドラムシ *ヨーロッパアカザエビ Nephropus の口器にすむ
S. americanus Obst, Funch and Kristensen, 2006 *アメリカ産のアカザエビ Homarus americanus の口器にすむ
S. sp.
 *Baker and Gilbert (2007)の分子系統解析で判明した種 *アメリカ産のアカザエビ Homarus americanus の口器にすむ


有輪動物の特徴
1.体サイズは約 0.4 mm ,アカザエビ類の口器付近に固着する外部寄生者.
2.三胚葉性,左右相称,無体腔,体節を欠く.
3.体表はクチクラにより覆われる.
4.口は繊毛に囲まれ,体の前端にある.U字型の消化管をもち,肛門は口の近くに開く.
5.消化管内の表面も繊毛で覆われる.
6.循環系やガス交換系はない.

7.体の後端にある固着盤により,宿主に付着する.
8.複雑な世代交代を行う.*固着性無性世代,パンドラ幼生,有性世代,脊索幼生世代の4世代がみられる
9.口器は出芽によって再生される.
10.有性世代の雄は1対の陰茎をもつ.
11.脊索幼生世代のみが1対の原腎管をもつ *この世代の遊泳期間は長く,他の宿主個体へ移動可能


H. ENDO