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Phylum Gastrotrica 腹毛動物(ふくもう)*2目13科46属約450種 *ギリシャ語で gaster=胃,thryx=毛の意味
1. Order Macrodasyda 帯虫(オビムシ)目
2. Order Chaetonotida 毛遊(イタチムシ)目 


腹毛動物の特徴
1.体サイズは 1 mm 以下(最大で4 mm)で,海から淡水域の底質上か底質中すむ(稀に浮遊性).
2.三胚葉性,左右相称,体腔を欠き,体は透明で蠕虫型,背腹方向に扁平.*以前は擬体腔をもつとされた
3.体は2細胞層以上の厚さで,体節はなく,組織と器官をもつ.
4.体表は基底層(内角皮)と外角皮との2層からなるクチクラの鱗や棘によって覆われる.*脱皮はしない
5.1から複数の固着器をもち,多数の粘着管から粘着性の物質を分泌する.*剥離性の物質を分泌して離脱
.体表の腹面に多数の繊毛をもち,すべるように移動する. * 背側の細胞は1本,腹側の細胞は多数の繊毛をもつ
7.咽頭部にある1対の神経節とそれらを結ぶ背側の神経横連合,1対の縦走神経索をもつ.
8.ガス交換系と循環系を欠き,原腎管をもつ.
9.咽頭や体表に筋肉をもつ. *環状筋と縦走筋
10
.消化管は完全で,体の後端付近に肛門をもつ.
11.雌雄同体あるいは単為生殖を行い,直接発生する. *淡水産のイタチムシ類では単為生殖する種が多い
12.貧酸素環境への耐性が高い.

*口器付近の繊毛運動による水流か咽頭の吸引動作により水流を起こし,細菌類や原生生物,デトリタスを摂餌する.
*咽頭の断面は三角形状で,その表面は1層の筋上皮細胞に覆われる.


H. ENDO