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地球温暖化による脅威から食としての魚を護る ~熱帯・亜熱帯性食中毒シガテラの発生機構の解明~

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図1 有毒微細藻を起点とする食物連鎖を介したシガテラ毒魚の毒化機構
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図2 シガテラの原因となる有毒微細藻のGambierdiscus属藻類の細胞
取組概要

 シガテラとは、熱帯・亜熱帯海域にて発生する魚毒性中毒であり、年間数万人もの患者を出す世界最大の海産食中毒として知られています。日本国内では、沖縄県にてしばしば発生して問題となっています。本中毒は、海藻付着性の有毒な微細藻類を起点とする食物連鎖により魚類が毒化し、この毒化魚を食べることにより起こります(図1)。そこで、本研究ではその原因となる有毒微細藻Gambierdiscus属(図2)に注目し、その日本沿岸域における分布や毒性などについて検討しました。その結果、本州中部以南の沿岸には本属藻類の有毒種と無毒種が存在し、有毒種の存在割合は、沖縄海域では高く、本州・四国では低いことが明らかとなりました。さらに、沖縄に多い有毒種は高水温に適応する一方で、本州に多い無毒種は有毒種よりも低い水温に適応することが明らかとなりました。

今後の展開

 今後、地球温暖化により海水温が上昇すると、有毒種が本州・四国・九州に北上することが予想され、現在それらの発生予知をはじめとする本中毒に対する対策に関わる研究に取り組んでいきます。

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