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取組事例テーマ

新規サイトカインIL-36に注目した腎疾患の新たな診断法と治療戦略の開発

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IL-36による腎障害の解明
取組概要

 現在、透析療法に至っている患者数は、全国で34万人を越え、特に急性腎障害(AKI:acute kidney injury)は、患者の高齢化などにより発症頻度は高まり、全入院患者の約10%で発症し慢性腎臓病(CKD)に高率に移行し、腎・生命予後を低下させることが報告されてきており、その対策が急務である。本研究は、新規サイトカインIL-36によるAKIからCKD移行を含めた腎疾患への関与を検討する。私たちは遺伝子改変マウスを用いた実験と腎生検検体やAKI患者尿を用いた検討でIL-36がAKIの病態に関与し、尿中の早期診断マーカーになりうることを既に見いだしている(Kidney Int 2018)。本研究では、IL-36による腎疾患の病態の関与を解明し、新規治療法ならびに早期バイオマーカーとしての新規診断法を開発することにより、透析導入患者数の減少を目指したい。 

今後の展開

 この成果を発展させ、IL-36受容体抑制系の蛋白や抗体による新規治療法ならびに早期バイオマーカーとしての新規診断法を開発することにより、腎予後の改善と透析導入の回避を目指したい。本研究の遂行による医療経済効果は計り知れない。

担当者
  • 教授
    寺田 典生
    高知大学 教育研究部 医療学系 臨床医学部門
    高知大学 医学部附属病院 内分泌代謝・腎臓内科
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