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1000年先でも持続可能な超低温冷却システムの開発

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超低温冷凍機で大気中に放出していたヘリウムガスを完全回収する概略図
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ヘリウムガスをクリーンに圧縮する圧縮機の1つのモデル。電子制御により完全自動化されている。
取組概要

 絶対温度1K 程度の超低温は研究には不可欠の環境の一つです。この温度環境を実現するために今までは液体ヘリウムが用いられてきましたが、ヘリウムは限られた資源であり、医療などの研究以外でも有用であり、しかも産出量が年を追うごとに減少しているため、研究で使用できるヘリウムは急減しています。2019年12月に日本物理学会など6学会、2研究機関連絡会、39機関は、ヘリウムのリサイクルを目指す声明を発表するに至っています。

 この状況を打開するために、ヘリウムを全く浪費しない超低温冷凍機の開発を進めています。具体的には、我々が開発している超低温冷凍機に圧縮機を組み込んだヘリウムを全く逃がさないクローズドサイクルのシステムです。これにより、1000年後でも超低温研究ができることを保証します。この取り組みは、産業の基盤に重要な貢献をするだけでなく、途上国などでも超低温の研究が容易になり、研究格差を是正します。また、小中高校などでの質の高い実験教育が可能になり、人財の育成に貢献します。 

今後の展開

 現時点で、ヘリウム回収ラインの問題点をすべて洗いだしました。回収率 99%以上を目指して改良を進めます。成果は、学会・論文で公表していきます。

担当者
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