公開日 2011年12月30日
まずプッポさんのお話から。
プッポさんは家族三人で、農場をしながら、レストランも経営しています。いわゆるファーマーズレストラン。RIZZI家のみなさんとお食事に行って、その後ヒアリングをさせていただきました。
プッポ家、その農地面積約30ha。
家族ひとりあたり10ha。日本ってどれくらいなんだろ?ちなみにうちはそんなに大きくないよと言っておられました。「隣の家は60haはあるから。」って。それ東京ドームいくつ分何だよ!って感じです。ここで、コーンや野菜、ワイン、牛の世話などをしているらしいです。
こちらでは農家が自主的に作るアソシエーションがあって、その単位で加工施設や、販売経路をきちんと持っているらしいです。日本にはたぶん農協しかないと思うって言ったら、「そんなんだったら農家の立場が弱くなるじゃないか!」っと言っておられました。こちらでは農家は販売まで、責任と誇りを持って行っているようです。買い取ってもらうとかじゃなくて、俺たちがうるんだ!という感じ。このレストランの野菜もここら辺の農家さんのもの使っているらしいです。
イタリアの法律でファーマーズレストランは1年で210日までしか開けないらしいですけど、その中でぎりぎりまで経営しているらしいです。30haの農地と30~50席はある大きいレストランを。コック長はプッポさんのお母さん。75歳・・・すごっ!僕が驚いたことはプッポさんの手がきれいなこと。
日曜市で、豆だらけの日焼けした手で働いているおじいちゃんとかおばあちゃんが僕にとっての「農家さん」のイメージだったので、大規模化・機械化ってこれだけすごいんだ、ということを実感しました。そんなに広い農場と、レストランの経営の両立って忙しくないですか?って聞いたら、「全然」というお答。
なんでよ?
また衝撃を受けたのが、農家レストランはもっとも安いレストランの一つであるということ。日本では、農家レストランって、限定~食とか、先ほど裏庭でとってきた野菜を使っています、というのは付加価値とみられると思うんです。でもこちらでは近所の人が気軽に食べにくるレストランとのこと。野菜もプッポさんの家に「~はないかい?」って買いに来るらしいです。
イタリアでは農家は誇り高き職業の一つなんだろうなと感じたお話を一つ紹介。
イタリアでは新規就農者が非常に少ないらしく、それは農地を確保することが難しいこと、また農業機械などを購入するのにお金がかかる点などが挙げられます。だから、ある限られた人にしかできない、やりたくてもできない仕事らしいです。「僕みたいな新規参入が農業ができると思うか?」と聞くと、「No, impossible.」と語気を強めて言っておられました。
ちなみに追加情報。パオラ先生がおっしゃっていたのですが、イタリアのカントリーサイドでは農地は1メートルスクエアで2ユーロから高いとことで10ユーロらしいです。200円から1000円。俺でも結構な広さを買えます。イタリアでは街の中には農地は見た感じ、ないです。高知市内で農業するとなれば1メートルスクエアっていくらくらいするのでしょうか?農業を取り巻く環境はだいぶ違うんだなと感じました。
イタリアは本当に平べったい国です。そっからのアルプスです。
林業が平地で行われているというのは語弊がありますが、木は平地で育てられるものらしいのです。それを紙に加工する産業も存在します。紙はこちらでは結構高いです。ノートは200円から高いので1000円ほど。
この国に柔らかいティッシュなんてありません。鼻かむの大変。この木材からの紙の加工はとてもお金の儲かる産業らしいのです。車でいなかの辺をうろうろすると、ワインヤードもしくはこの林ばかりの景色になります。
とても不思議。
平野の狭い日本ではできないことなので、ないものねだりをしてもしょうがないですが、あるものから何かを生み出すということの難しさも感じます。農業にも『日本的経営』が必要ですね。どんなんか分からないですが。輸入にはなってほしくないですね~。こちらの農薬をまく機械とかを見ると・・・。
お土産にここのワインを持って帰りたくて、赤を売ってもらえないかとお願いすると、きれいに箱に詰めて、赤と白のセットにしてプレゼントしてくれました。
3月に持って帰ります。飲みたい人は声掛けてー。