公開日 2012年7月6日
7月6日(金)、共通教育授業課題探求実践セミナー「自律協働入門」は
先輩出稽古の後の社会人・先輩講話が行われました。
講師として登場したのは社会人三年目の卒業生と現4年生。
二人ともコラボ考房プロジェクトやインターンシップに取り組むなど
社会と関わる活動を続けてきた先輩です。
1年生たちはメモ帳を片手に熱心に先輩の話に耳を傾けていました。
ここでは先輩講話の要約をご紹介したいと思います。
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★理学部4年生 松本翔吾くん
1年生の時にコラボ考房プロジェクト「LOVEろMEN」を立ち上げ、
4年間路面電車で高知を活性化する活動を続けている松本くん。
「なぜ単位にもならない、お金にもならない活動を続けられたか」、
学生ならではの視点から1年生に語りかけてくれました。
◆考え方の違いに気づかされた社会人とのコラボ◆
◇◆「やらされている」から「自分でやる」へ
正直に言うと、色々な活動も最初は環境アクションプロデューサーという資格取得のため
“やらなければならなかった”からやっていた。
ターニングポイントは1年生の春休みに行ったCBI実習・山下農園でのインターン。
開始前にオーナーから「自我をなくして真っ白でインターンにこい」と言われた。
一見、傲慢にも聞こえるけど「この人すごいなあ、かっこいいなあ、近づきたい」と思わせる力
のある言葉だった。一ヶ月だけ、この人に自分をあわせてみようと思えた。そうすれば自分も
魅力のある人になれるような気がした。
インターン中は基本的に言われたことは全て受け入れた。なんでこの人はこんな風に
考えるのかを考えるようにし、人を受け入れることを目標にした。
この経験から何でも自分で考えて行動するようになった。
サークルもLOVEろMENも真剣にやるようになった。仲間に対して「お前どう思う?」
という質問をするようになった。なんでどんな意味があるのか、自分から考えてもらうように
仕向けることを意識するようになった。
◇◆「自己満足」から「みんなの満足」へ
LOVEろMENは社会人と協力して市民も巻き込んでの活動にしていった。
例えば路面電車でミュージシャンを呼びライブをするとファンも来るし、ラジオもテレビも来る。
自分の活動が社会に対して影響があるのだと実感した。
厳しいことも言われるが成功すると自信になる。そんな経験をしたのが4年間続いた理由の
一つだと思う。
学生だけでやっていたら恐らく半端なものをつくって自己満足で終わっていただろう。
社会人と関わりを持ち、考え方の違いを学生の内に気づくことが大事。
それはきっとこれからの学生生活の土台になると思う。
★卒業生:秋元裕貴くん(人文学部社会経済学科卒業)
社会人3年目の秋元くん。在学中は東京での長期インターンシップや
コラボ考房プロジェクトなど様々な活動に地道に取り組みました。
秋元くんは社会人3年生の立場で学生時代を振り返りつつ、
後輩たちにメッセージを贈ってくれました。
◆小さな一歩を踏み出すこと、感じること、知ること、学ぶこと◆
◇◆「もやもや」からの出発
大学に入ってしばらくは何をしたらいいのかもやもやして何も行動に移せなかった。
それではいけない気がしてまずは友達と一緒に東京ベンチャー留学など「参加」する
ことから始めた。それで4年間が変わったと思う。
CBI実習で東京に半年間インターンに行ってから取り組んだのが「ヤミ市」プロジェクト。
大学から近い高知市旭地区を「元気にしてやろう」くらいの気持ちで始めたけれど、
協力者はゼロ。自前でチラシをつくって各家庭のポストに投函したり、地域の川掃除
(と言ってもほとんどドブ川)の清掃に参加したり。
そんな風に活動しているうちに地域には色んな人がいて、色んなことを考えている
ことを知り、何かが自分の中で変わる感覚がした。キーパーソンも見えてきたし、
協力者も出来た。
結果、町内会、おじいちゃん・おばあちゃん、子どもたちなど色んな人と協力をして、
旭地区で二回のフリーマーケットと夏祭りを実施した。
僕は「主役はあくまで地域住民の方々であるべき」で学生は火付け役にすぎないと思う。
2年くらい前、たまたま旭を通った時に「あさひまつり」の横断幕を見つけた。
まつりが続いていること、大学生の誰かが引きついでくれていることがとても嬉しかった。
◇◆「小さなトライアングル」からの脱出
大学、アルバイト、サークルという小さなトライアングルで大学生は暮らしがち。
この三角から学生時代に飛び出してみることが何かにつながる。
インターンシップや地域活動は感動の連続ではない。
思うようにならないし、じいちゃんとのすり合わせは難しい。みんなのモチベーションも違う。
けれど今になってわかるが、学生の視点で地域の方に意見をぶつけるからあわないわけで、
地域というフィールドで出あった人やモノごとによって成長する機会をもらったと思っている。
学生時代に積み重ねた経験が社会人になった今、様々な判断材料になっている。
判断基準が増えるとは豊かなこと。トライアングルの外側の世界を見て欲しい。
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