◆医学部附属光線医療センターの中山沢前特任助教、井上啓史教授、小倉俊一郎客員教授らの研究成果がNature系列の科学誌「Scientific Reports」に掲載されました

2021年5月17日

 医学部附属光線医療センターの中山沢前特任助教、井上啓史教授、小倉俊一郎客員教授らの研究成果がNature系列の科学誌「Scientific Reports」に掲載されました。

 腫瘍の一部のがん細胞は、休眠がん細胞と呼ばれる増殖が抑制された状態にあります。この休眠がん細胞は微小環境の変化や外部刺激によって再活性化して増殖するため、がんの再発と密接な関係があると言われています。中山前特任助教らは休眠がん細胞のモデルを構築し、休眠性に比例しポルフィリン代謝が亢進することを既に突き止めていました。今回の研究では、高休眠性と低休眠性のがん細胞に対してマイクロアレイ解析を行い、脂質代謝が休眠がん細胞において亢進していること、ポルフィリン代謝が脂質代謝の従属関係下にあることが判明しました。この結果より、脂質代謝を阻害することによってポルフィリン代謝も低下することを突き止め、がん細胞の分子生物学に新たな知見をもたらしました。

 5-アミノレブリン酸は、がん細胞のポルフィリン代謝を用いてがんの診断や治療を行う薬剤として広く知られています。今回の研究成果より、脂質代謝がポルフィリン代謝のマーカーとして利用できる可能性が示唆され、治療効果を予測するマーカーとして、今後の利用が期待されます。

 

<論文名> Enhanced lipid metabolism induces the sensitivity of dormant cancer cells to 5-aminolevulinic acid-based photodynamic therapy
<和 訳>「休眠がん細胞における脂質代謝の亢進が5-アミノレブリン酸を用いた光線力学療法を増強する」

 

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