◆愛媛大学連合農学研究科(高知大学所属)の泉水彩花さんと深田陽久教授による研究論文が、「Aquaculture」に掲載されました

2022年11月9日

 愛媛大学連合農学研究科(高知大学所属)の泉水彩花さんと自然科学系農学部門 深田陽久教授による研究論文が、「Aquaculture」に掲載されました。

 近年、持続的な養殖漁業を行うため、養殖魚用飼料中の魚粉を植物性タンパク質等で代替することが一般的になっています。しかしながら、日本で最も多く養殖されているブリ(Seriora quinqueradiata)は肉食魚のため、低魚粉飼料(※)では摂餌量が大幅に減少するという問題が発生します。一方で、ブリの餌への嗜好性および摂餌量を調節するメカニズムについては、ほとんど明らかになっていません。
 本研究では、強い嗅覚刺激物質(アラニン)と強い味覚刺激物質(プロリン)を用いて、ブリの摂餌行動、食欲亢進ホルモンの脳内発現量の応答および摂餌量に変化が出ることを確認しました。その結果、嗅覚と味覚はそれぞれ異なる経路でブリの摂餌行動、食欲および摂餌量を調節している可能性が示唆されました。
 この研究結果により、ブリにおける低魚粉飼料の摂餌量を改善する可能性が見い出されたことで、今後の持続的なブリ養殖の実現に貢献できるものと考えられます。

 

【参考】

Ayaka Senzui, Haruhisa Fukada

Olfaction and gustatory senses promote feeding through different pathways in yellowtail, Seriola quinqueradiata

Aquaculture, Available online 11 September 2022, 738814

https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0044848622009310

 

※低魚粉飼料:飼料中の魚粉の大部分を植物性タンパク質で代替した持続性が高いとされる飼料

●このページについてのお問合せは...

お問合せフォームへ

掲載されている内容について、不明点や疑問に感じたことなどございましたらお気軽にお問合せください。

インフォメーション

インフォメーション
AED設置場所