◆総合科学系複合領域科学部門の難波卓司准教授ら研究グループの研究成果が、米国科学誌『iScience』に掲載されました

2023年7月21日

スピルリナの新たな活用法に迫る~アンチエイジングに特化した化粧品や健康食品への活用に期待~

 

 総合科学系複合領域科学部門の難波卓司准教授とDIC株式会社による研究グループの研究成果が、米国科学誌『iScience』に掲載され、令和5年7月21日に電子版が公開されました。

 スピルリナは、太陽の光と大気中のCO2を吸収して成長する藻で、サステナブルな素材でありながら様々な栄養素を豊富に含むスーパーフードとして注目されてきました。

 本研究グループは、全ての臓器に存在している線維芽細胞を人工的に老化させることで、悪影響を与える活性酸素から細胞を守っている抗酸化タンパク質SOD2の量が減少し、結果としてミトコンドリアの機能が低下することを明らかにしました。さらに、このスピルリナを熱抽出して発生する多糖成分を用いることで、SOD2の量を増加させてミトコンドリアの機能を回復し、老化した線維芽細胞を若返らせることを発見しました。また、これまでSOD2量を増加させる素材は、同時に炎症反応を起こしてしまうものがほとんどでしたが、スピルリナの多糖成分には抗炎症作用のあるNrf2を同時に活性化させる効果があり、炎症反応を抑制しつつ細胞の抗酸化作用を強力に高めることができる新しいタイプの素材であることを見出しました。

  この研究成果により、サステナブルな素材であるスピルリナが、今後アンチエイジングを目指した化粧品や健康食品として活用されることが期待されます。

 

<論文名>Restoration of Mitochondrial Function by Spirulina Polysaccharide via Upregulated SOD2 in Aging Fibroblasts

<和 訳>スピルリナ由来多糖はSOD2(抗酸化タンパク質)を誘導することで、老化線維芽細胞のミトコンドリア機能を回復させる。

論文URL:https://www.cell.com/iscience/fulltext/S2589-0042(23)01190-2

プレスリリース_スピルリナの新たな活用法に迫る.pdf(260KB)

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