公開日 2024年3月15日
魚類の非侵襲的でリアルタイム計測が可能なヘルスモニタリングシステムを構築
希望創発センターの宝金実央特任助教と総合科学系黒潮圏総合科学部門の大島俊一郎教授らの研究成果が「Remote Sensing Applications: Society and Environment」誌オンラインに掲載されました。
世界的に魚類養殖が注目されている中で、魚類のリアルタイムで非侵襲的(※1)なヘルスモニタリングシステムの構築が求められています。
本研究グループは、ヒラメを対象とし、鰓蓋運動に関連する光学的換気信号のモニタリング手法を開発し、連続的かつ長時間のモニタリングを可能にするシステムを構築しました。本システムは、ヒラメの鰓周辺に位置する4チャンネルの光検出プローブによってチャンネル信号を取得する構造に設計されており、得られた光学的換気信号から換気頻度を表す鰓蓋拍動数を算出し、連続的なモニタリングを可能としています。さらに本システムの有用性を実証するために、高水温曝露によるストレス反応をモニタリングし、鰓蓋拍動数と魚類のストレス指標として用いられている血漿中グルコース濃度の変動を比較しました。その結果、鰓蓋拍動数がストレス付与に対してセンシティブに反応することが確認され、本システムは、魚類のヘルスモニタリングに有用であることが確認されました。
この研究成果は、魚類養殖の健康モニタリングへの活用が期待されるものです。
【論文情報】
論文タイトル:Noninvasive health monitoring of fish using optical ventilation signals
著者:Mao Hokin, Tsuyoshi Miyata, Kosei Kumon, Syun-ichirou Oshima
雑誌名:Remote Sensing Applications: Society and Environment
URL:https://doi.org/10.1016/j.rsase.2023.101105
※1非侵襲的:生体に傷を付けないこと