公開日 2025年2月5日
長期間にわたるニホンジカの食害により衰退した林床の草本植物群落の回復を、植生ブロック移設や表土移設によって促進できることを解明
大学院黒潮圏総合科学専攻3年生の瀨戸美文さん、Jioie Muriel Aquino dela Vegaさん及び自然科学系理工学部門の比嘉基紀准教授ら研究チームの論文が「Journal of Forest Research」に掲載され、2025年1月16日に電子版が公開されました。
ニホンジカの食害による植物群落への被害が、日本全国で問題となっています。ニホンジカによる採食から植物群落を守る効果的な手法として防鹿柵の設置があります。しかし、長期間にわたりニホンジカの食害を受け衰退した植物群落は、防鹿柵を設置しても、食害を受ける前の状態に回復させることは困難であることが報告されています。
瀨戸さんらの研究グループは、早期の防鹿柵設置により食害の影響が軽微な植生が生残している場合、それらの植生ブロックや表土を、新たに設置した防鹿柵内に移設することで、長期にわたるニホンジカの食害により衰退した草本植物群落の回復を促進できることを明らかにしました。
研究内容の詳細は、理工学部 生物科学科 植物生態学研究室のホームページにて紹介しています。
題 名:Effectiveness of turf and topsoil translocation for restoring long-term overgrazed understory herbaceous vegetation in coniferous/broadleaf deciduous mixed forest in Shikoku, Japan
著 者:Mifumi Setoa*, Ayu Komatsub, Shuta Ohyamab, Diane Shiela Castilloa, Jioie Muriel Aquino dela Vegaa, Motoki Higab,c, Shingo Ishikawac, and Motohiro Kawanishid
所 属:a高知大学大学院総合人間自然科学研究科・b高知大学理工学部・c三嶺をまもるみんなの会・d鹿児島大学教育学部