公開日 2025年10月17日
非閉塞性肥大型心筋症に対するマバカムテンの効果検証
高知大学医学部老年病・循環器内科学講座 北岡裕章教授らの研究グループの研究成果が、マサチューセッツ内科外科学会発行の国際学術誌「The New England Journal of Medicine」に掲載されました。
肥大型心筋症は、主にサルコメア遺伝子変異による心肥大をきたす心筋症です。特徴として、閉塞を伴う閉塞性肥大型心筋症と閉塞を伴わない非閉塞性肥大型心筋症に大別され、突然死や心不全の原因となります。マバカムテンは、心不全症状のある症候性閉塞性肥大型心筋症の治療薬として承認されています。しかしながら、非閉塞性肥大型心筋症に対する効果は明らかにされていません。
高知大学は、この治療薬に関する国際共同第3相臨床試験(Odyssey-HCM試験)に、日本の責任施設として参加し、世界の代表的な施設とともに、非閉塞性肥大型心筋症に対する効果を検証しました。
その結果、統計的には有意差は認められなかったものの、患者さんの自覚症状の改善が認められました。また、心臓への負荷を評価するバイオマーカーに改善を認めました。このことは、肥大型心筋症の患者に対して、本剤の効果を示すものです。
【プレスリリース】非閉塞性肥大型心筋症に対するマバカムテンの効果検証[PDF:152KB]
<論文名>Mavacamten in Symptomatic Nonobstructive Hypertrophic Cardiomyopathy
<和 訳>非閉塞性肥大型心筋症に対するマバカムテン