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脳性麻痺に対するヒト臍帯血幹細胞輸血治療

脳性麻痺とは?…受精から生後1ヶ月までに何らかの原因で受けた脳の損傷によって引き起こされ、生涯にわたり身体・精神の機能を著しく損なう難治性疾患です。しかし脳性麻痺に対する根本的な療法はなく、リハビリテーション等の対症療法を行っているのが現状です。
ところが2006年、Duke大学のKurtzberg 研究室で、出生時に凍結保存した自己臍帯血の中に含まれる幹細胞を輸血することで脳性麻痺を機能改善するという画期的な治療法が開発されました。その極めて高い有効性から、現在アリゾナ大学、ジョージア医科大学、カリフォルニア大学でも臨床研究が開始されています。今後日本でも、臍帯血を用いた脳性麻痺児の機能改善に向けた臨床研究が行われる可能性が高まっています。

これに先駆けて、動物を用いた基礎研究が重要であり、これによってそのメカニズムの解明や、また治療方法の改善などがもたらされます。
われわれの研究班では、マウスを用いて脳性麻痺モデルを作成しています。この脳性麻痺モデルを用いて、幹細胞の輸注による機能改善効果の評価、血液幹細胞の分化様式、障害部位への移動様式、他の幹細胞との相互関連、神経幹細胞の誘導などの実験をin vitroとin vivoで行っています。
これによって、障害された脳が幹細胞によってどのように修復されていくのかが明らかになっていくと考えています。そして将来的には、脳性麻痺のみならず他の脳疾患、そして他臓器の疾患の治療に発展させたいと考えています。

研究課題

  • 希少・ハイリスク症例を含めたヒト臍帯血幹細胞データライブラリーの構築と解析

  • 再灌流障害による新規脳性麻痺モデルマウスを用いた臍帯血移植の治療メカニズムの解明

  • 脳性麻痺モデルマウスの傷害脳組織再生に関わる内在性神経幹細胞の機能解析

  • 脳性麻痺モデルマウスにおける傷害組織において産生されるメディエーターの探索

  • 臍帯血幹細胞の同定及び未分化維持培養法の開発

  • 臍帯血幹細胞から神経系・免疫系細胞への効率的な分化誘導法の確立

  • アロ臍帯血移植を用いたがん治療への応用

  • 全自動単核球分離装置を用いた新規細胞分離・回収法の開発

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