医学部医学科5年生畑優里佳さん(先端医療学コース・創薬基盤推進研究班所属)、医学部医学科薬理学講座清水孝洋准教授、齊藤源顕教授らの研究グループの研究成果が国際誌『Biochemical and Biophysical Research Communications』に掲載され、2022年3月25日に電子版が公開されました。
【論文名】 Stimulation of brain corticotropin-releasing factor receptor type1 facilitates the rat micturition via brain glutamatergic receptors
【和 訳】脳内コルチコトロピン受容体タイプ1の刺激は脳内グルタミン酸受容体を介してラットの排尿を促進する
【論文URL】 https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/35366544/
排尿機能障害は患者の生活の質を著しく低下させ、高齢化の進行に伴い今後患者数がさらに増加するものと考えられています。一方、現行の薬物療法が奏功しない排尿機能障害患者が一定数存在することから、新たな創薬標的の創出が望まれています。
本研究では「ストレスがかかって緊張するとトイレが近くなる」という日常的に経験する事象をヒントに、ストレスに対する生体応答に重要な役割を担うコルチコトロピン放出因子(CRF)に着目しました。そしてこのCRFが脳内で排尿促進に関与すること、この促進に興奮性神経伝達物質であるグルタミン酸が関与することを実験的に明らかにしました。本成果から、今後脳内CRFが排尿障害の新たな創薬標的となることが期待されます。
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