施設紹介 - 活動報告

高校生のためのサイエンス体験学習2007

高知大学総合研究センター生命・機能物質部門の動物資源開発分野(動物実験施設)は、同部門の生体機能解析分野(実験実習機器施設、RI施設)、医学部並びに大学院黒潮圏海洋科学研究科との共同主催で『高校生のためのサイエンス体験学習 -受精から個体の形成まで:遺伝子の働きって何だろう?-』 を8月15日(水から17日(金)の3日間開催しました。今年度は、開催前の医学部における百日咳騒ぎで心配しましたが、リピータを含めた県内高校生19名と愛媛県からの1名が、この体験学習に参加されました。例年にない暑さの中でしたが、参加高校生と教職員の熱意もとに体験学習は盛会裏に無事に終了しました。

◆スケジュール

8月15日(火)
午前 【開校式】
代表者挨拶(橋本浩三 医学部長、富永明 大学院黒潮圏海洋科学研究科)
記念撮影
【講義】
『遺伝子って何だろう』 (坂本 修二;総合研究センター生体機能解析分野)
【実習】
ピペット操作
午後 【採血】
各自の血液採取と塗抹標本作成
【実習】
『凝集反応によるABO式血液判定』、『血液からの遺伝子単離』
【懇親会】
8月16日(水)
午前 【実習】『PCR法』
午後 【実習・講義】
(2班毎の4グループで実習と小グループ毎に講義・質疑応答を実施)
【講義】
『クローンとその技術の応用』(古谷正人;総合研究センター動物資源開発分野) 『染色体と病気』 (田口 尚弘;黒潮圏海洋科学研究科海洋健康医科学講座)
『質疑応答』 (富永 明;黒潮圏海洋科学研究科海洋健康医科学講座)
【実習】
 『体外受精、光顕・染色体観察、走査型電子顕微鏡観察、透過型電子顕微鏡観察』
【講義】
『糖とヒトの関係』(大谷 和弘;黒潮圏海洋科学研究科海洋健康医科学講座)
8月17日(木)
午前 【実習】
『制限酵素によるDNAの切断』
【講義】
『遺伝解明の歴史、遺伝子・幹細胞技術の社会への影響』 (富永 明;黒潮圏海洋科学研究科海洋健康医科学講座)
午後 【実習】
『電気泳動・染色・撮影』、『体外受精の結果観察および顕微鏡下における卵操作』
【閉校式】

◆動物実験施設の担当分野

動物資源開発分野は16日と17日の2日間担当しました。実施内容は、古谷准教授の「クローンとその技術の応用」の小グループでの話しと、都留助教と溝渕技術職員による以下の体験学習を行ないました。今年度は、CCDカメラを介した精子の運動等の映写と、メイン実習室に顕微鏡を持ち込んで卵操作に十分時間を取る等の新しい取り組みを加えましたが、いずれも参加者には非常に好評でした。

【1日目】
体外受精の体験実習(事前に用意された卵子の培養液に精子懸濁液を加えて体外受精の実習)
凍結保存と解凍操作(精子の凍結および凍結精子を解凍して、その運動性等を観察)
凍結保存と解凍操作(精子の凍結および凍結精子を解凍して、その運動性等を観察)
【2日目】
前日受精させ、培養した卵の受精率と二細胞期卵の観察
顕微鏡下でマイクロピペットを使って受精卵のみを新しい培地に移動

◆体外受精等に関する参加者からの感想

体外授精では初めて目の前で動く精子と卵子を見た。本当にこの小さいものがマウスやヒトくらいにおおきくなるのかなと思ってしまいました。生き物は不思議なものです。そして顕微鏡もあのようなのは見たことがなかったので、いい経験になりました。また、クローンの説明も楽しかったです。少し細胞をとってきて工夫するだけで同じものが出来るなんてすごいと思いました。

受精の実験は写真など教科書では見たことがあったけど、実際精子が卵に入っているのを初めてみて感動しました。

受精の実習は、自分の手で受精のきっかけを作るということが感動的ですごく思い出深いものになりました。卵割の観察、電気泳動などを行い、少し慣れてきたかなと思っていましたが、細かい作業が多く、とても難しかったです。特に卵操作はうまく出来ず苦労しました。

体外授精では、どんな人でも簡単に生命を操作できる反面、生命はかけがえのないものだということを感じました。

精子の運動性には驚きました。生殖には倫理的な問題を見落とせない重要さを改めて感じた。操作は簡単だった。卵割している卵を吸ってとなりに移す作業では、未受精卵まで吸ってしまって失敗してしまいましたが、二細胞期がはっきりと観察できてよかった。

楽しかったのは体外授精です。教科書では何度も見たことがありましたが、初めて見ることがとても感動的でした。まだ高校1年なので授業では詳しく勉強をしたことがなかったけれど、これから授業ですることがあったら、実際に自分でやったのでとても興味深く楽しく勉強できると思います。

マウスの体外授精はとても楽しかったです。

実験はとても楽しかった。

全部が学校では体験できないようなことばかりでたくさん驚きがあった。

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