教室紹介

ご挨拶

中井 浩三先生

高知大学皮膚科学講座 教授

中 井 浩 三

ようこそ高知大学皮膚科学講座の
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私は、令和5年1月1日から第4代目教授を担当しております中井浩三と申します。
当教室は昭和55年に開講して以来、初代の荒田次郎教授、2代目の小玉肇教授、そして3代目の佐野栄紀教授により築き上げられた国内最高レベルの臨床・教育・研究の体制がある皮膚科学教室です。
この体制を維持しつつ、高知県における皮膚科のさらなる地域医療活性化とグローバル化に全力を注ぎます。

高知大学皮膚科は多くの方々の御支援を受け、高知県全域の皮膚科診療の中核を担っております。大学の他の診療科の先生方だけでなく、大学以外の皮膚科とそれ以外の様々な科の先生方、そしてその他の医療スタッフの方々のおかげで私達は高知県で良い診療が行えると考えています。

「証拠に基づく医療(EBM)」を基に、ひとりひとりの患者さんに寄り添った、患者さんの満足のために最善の努力を尽くします。外来患者数は1日平均100名、入院患者数は1日平均13名、年間手術件数は200名、県内関連施設は30以上と地方にありながら、その診療の規模は都市部の大学と比べても遜色ありません。
乾癬外来、アトピー外来、皮膚外科外来、膠原病外来の専門外来を設け、アトピー性皮膚炎や乾癬、脱毛症などの一般的な皮膚疾患から、有棘細胞癌や悪性黒色腫といった悪性腫瘍、膠原病・自己免疫性水疱症などの指定難病まで幅広く多彩な疾患の診療を行っております。

近年、皮膚科学は学問的に飛躍的に進歩しております。日本人のノーベル医学生理学賞授賞歴を見ますと、2012年に授賞した山中伸弥先生のiPS細胞は皮膚線維芽細胞から作製され、2015年に受賞した大村智先生のイベルメクチンは疥癬治療に応用され、2018年に受賞した本庶佑先生の免疫チェックポイント阻害は皮膚悪性黒色腫の治療が臨床応用の始まりとなっております。ノーベル賞だけでなく、皮膚科学において様々な分野の基礎研究と臨床研究が繋がりながら発展しつつあります。
よって、教育においても現在ある教科書やガイドラインだけではなくEBMを有する最新の情報を適切かつ魅力的に伝えていく必要があると考えています。卒前教育では一般的な皮膚疾患の皮疹とその形成の背景を病態生理学的、病理学的に検討し、論理的に考え、診断できることを目標とします。同時に臨床実習では学生が患者さんに接し、病気を診ること以上に人を診ることを重視します。卒後教育ではより診断能力を洗練されたものとし、EBMに基づいた治療戦略をたて、あらゆる皮膚疾患に対応できること、かつ真摯な医療人として完全な倫理を身につけることを目標とします。
 また、皮膚科専門医は通過点とし、腫瘍、アレルギー、美容などサブスペシャリティを身につけた皮膚科専門医が多く育ってほしいと考えています。これらサブスペシャリティを持った皮膚科専門医は皮膚科のリーダーとして、関連病院・高知県全体だけでなく日本の皮膚科のレベルアップに必要と思います。

これまで高知大学皮膚科では世界に通用する研究が行われてきました。主に乾癬に関する基礎研究ですが、バイオマーカーの測定といった臨床研究も行われています。 高知大学には光線医療センターや海洋コア国際研究所といった世界にも類をみない施設があります。今後の高知大学皮膚科においては自由な発想で自由な研究を多く行うことで、これまでの高水準の基礎研究と臨床研究を維持しつつ、これらの施設との共同研究を推進し、さらには世界中の企業・施設との産学連携による各種皮膚疾患の新規治療法の開発を目指します。

国内最高の皮膚科学教室ですが、自由でアットホームな医局です。お越し頂ければ、当教室の素晴らしい魅力をより一層お伝えできることと存じます。
お気軽にお問い合わせください。皆様にお会いできることを心からお待ちしております。