研究紹介

モデルマウスを用いたタクロリムス外用による発癌誘導性有無の検討

モデルマウスを用いたタクロリムス外用による発癌誘導性有無の検討
担当:志賀 建夫

タクロリムス軟膏はアトピー性皮膚炎治療に用いられる外用薬であるが、局所の免疫を抑制するため、紫外線発癌の促進が懸念される。
そのため、マウスモデル用いてタクロリムス軟膏外用と紫外線発癌の関与について検討を行った。K5.Stat3Cマウスは紫外線照射を繰り返すことで、12~18週と早期に耳介にSCCを生じる。紫外線照射後、左右の耳介それぞれにワセリンとタクロリムス軟膏を投与したが、発癌時期や悪性度に明らかな差はみられなかった。
すなわちタクロリムス軟膏外用が紫外線発癌を明らかに促進するというデータは得られなかった。

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    タクロリムスは紫外線発癌を促進しない

  • PubMedShiga T, et al. J Dermatol Sci. 2012 Nov;68(2):112-5