光学医療診療部とは
各疾患分野で内視鏡を用いた診断と治療を専門に行う部門を独立統括し、各診療科との連携を円滑にすることで、内視鏡を用いた専門的な診断と治療の需要に柔軟に応えることを目的としています。現在は消化管領域の診療を光学医療診療部スタッフと各協力診療科で担当し、胆膵領域や呼吸器疾患は各診療科の専門医が診療にあたっています。 (補足解説)
光学医療診療部スタッフ |
協力診療科 |
診療部長 大西 三朗 |
第一内科 |
助教授 田村 智 |
第二内科 |
助手 大川内 孝治 |
第一外科 |
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第二外科 |
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総合診療部 |
(2階 受け付け) (検査室入り口)
診療日程
月曜日から金曜日 午前9時〜午後12時30分 |
火曜日から金曜日 午後1時〜午後5時(午前中は前処置の下剤服用) |
内視鏡的治療(食道、胃、大腸腫瘍などに対する内視鏡的粘膜切除術) |
* 上部消化管内視鏡検査は、月曜日から金曜日まで各診療科にて直接申し込み可能です。
* 当日検査を希望される方は、朝食を抜いた状態で受診して下さい。(水、お茶は飲んでも
構いません。)
診療内容
(電子スコープ) (検査台)
1. 上部消化管内視鏡検査
食道、胃、十二指腸までの範囲を観察します。
通常観察に加え、より精密に診断を行う為に色素内視鏡観察を適宜行います。病変の存在が疑わしい場合は生検により病理診断を行います。また、早期癌に対して内視鏡的粘膜切除術の適応決定の補助診断として超音波内視鏡検査を行います。
その他、再発性の胃・十二指腸潰瘍がある場合は、ヘリコバクターピロリ菌の内視鏡検査(培養、鏡検、迅速ウレアーゼ試験)を行います。
2. 大腸内視鏡検査
直腸、S状結腸、下降結腸、横行結腸、上行結腸、盲腸、回腸末端(小腸)までの範囲を観察します。通常観察に加え、色素内視鏡観察、拡大内視鏡観察を適宜行います。拡大内視鏡観察では腫瘍性病変に対し、高い一致率で病理診断を予想できるので、内視鏡的ポリープ切除術や内視鏡的粘膜切除術の適応決定を詳細に診断することができます。必要に応じて超音波内視鏡検査も行います。その他、炎症性腸疾患の診断にも有用です。
3. 内視鏡的治療
食道、胃の粘膜内癌や高度異型上皮や腺腫などに対して内視鏡的粘膜切除術を行います。基本的に入院治療になります。大腸の場合、内視鏡的ポリープ切除術や内視鏡的粘膜切除術を、通常の検査の際に外来治療で行いますが、出血のリスクが高いと思われる大きな病変では入院治療を行います。
その他、消化管出血に対する内視鏡的止血術(高張Naエピネフリン液注入、エタノール注入、クリップ、アルゴンプラズマ凝固など)や消化管狭窄に対する内視鏡的治療(バルーン拡張術やステント挿入など)を行っています。
電子ファイリングシステム
検査中に撮影された内視鏡画像は、ただちに画像ファイルサーバーへ転送され、データベースとして閲覧できます。
これにより、検査後ただちに詳細な検討が可能です。また、全学の電子カルテ化に伴い、外来や各病棟のあらゆるコンピューター端末で、これらの内視鏡画像が閲覧可能となっており、効率的な診療が可能となっています。
(検査風景) (電子ファイリングシステム)
使用後のスコープについて
高知医科大学光学医療診療部では、使用後のスコープは全て以下の手順で洗浄消毒を行っています。
1)検査終了直後の取り扱い
a) 個々の検査が終わり次第、検査医がスコープの表面に付着した体液をアルコールガーゼを用いて十分拭き取り、次いで各患者ごとに用意した蛋白分解液を吸引する。この際、送気ボタンを専用の洗浄用ボタンに付け替えて、送気孔に水を流して洗浄する。(オリンパスによると、この操作でスコープの故障の8割を予防できるとのことです。)
b) 防水キャップを装着し、検査医が洗い場の使用済スコープ置き場に運ぶ。
2)洗い場における洗浄
当診療部では、スコープ洗浄の為に専属のスタッフが1名勤務しています。
a) 送気・送水ボタン、吸引ボタン、鉗子栓を外し、洗剤を含ませたスポンジでスコープ全体を洗います。
b) 鉗子孔、送気・送水孔、吸引孔を各々ブラッシングします。(各3回ずつ)
c) 各ボタン、鉗子栓と共にスコープを内視鏡洗浄装置にかけます。
全例で感染症の場合と同じ洗浄消毒コースで行っています。
消毒液はステリスコープ(グルタールアルデヒド)を使用し、消毒時間は15分、1コース分の洗浄に要する時間は合計約40分です。
処置具について
内視鏡に使用される処置具(生検鉗子、局注針、スネアなど)は、体液その他の生体内物質が濃厚に付着する為、現在は1回限り使用のディスポーザブル製品を原則的に使用しています 。リユース製品は、洗浄消毒後にオートクレーブやエチレンオキサイドガス滅菌を行います。