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歯科口腔外科

口腔および顎骨を中心としたあらゆる疾患に対する治療を行っています。

概 要

歯科口腔外科では次のような疾患を対象にしています

舌癌、歯肉癌(歯茎にできる癌)などの口腔悪性腫瘍
顎変形症
顎骨嚢胞、良性腫瘍
埋伏智歯
う蝕、歯周病による歯性感染症
顎顔面骨骨折
唇顎口蓋裂
顎関節疾患
薬剤関連性顎骨壊死、放射線性骨髄炎
白板症、扁平苔癬などの口腔粘膜疾患
歯牙欠損に対する歯科インプラント治療(自費診療)
その他口腔カンジダ症、ウイルス感染症、口腔乾燥症、舌痛症、味覚異常、三叉神経痛など

* 一般の歯科治療はかかりつけ歯科をご紹介しています。

歯科口腔外科では次のような症状を扱っています

  • 歯が痛い、グラグラする、歯肉が腫れて血や膿がでる
  • 顎や顔が腫れている
  • 抜歯後に血が止まらない、あるいは、痛みが続き治らない
  • 舌が痛む
  • 舌や歯茎にしこりができた
  • 顎の関節が痛かったり、カクカク音がしたり、口が開きづらい
  • 歯並びが悪く、顎の変形があり気になる、食物が噛めない
  • 口が乾燥する
  • 義歯が当たってできた傷がなかなか治らない
  • 歯や顎骨が折れた
  • 口内炎が治らない

診療体制

外来
歯科用ユニットを9台設置し、1日平均51.3名の診察を行っています。
初診日は月、水、金曜の午前となります。原則として日本口腔外科学会指導医の診断・治療方針の決定ののち、担当医が治療を行います。
埋伏智歯などの難易度の高い外来小手術は、主に木曜午後の外来手術日に行います。
また、歯科麻酔医による静脈内鎮静下での処置も行う場合があります。
歯科矯正外来は月2回、木曜午後にあり、顎変形症患者の矯正治療などに対応しております。

入院
歯科口腔外科の病棟はE-4病棟にあり、病床数は10床です。
年間の入院患者数は延べ2,461名で、全身麻酔手術は月曜午後、火曜午前、午後に行なっており、全麻手術件数233例です(2024年)。
また、合併症を有している患者は、専門診療科と協力して診療にあたっております。

診療方針

口腔全体を1つの単位と考え、治療の最終目標は口腔機能の回復に置いています。さらに、一人一人の患者さんを丁寧に診療する体制をとっており、”病気ではなく、病人を診る”ということを基本理念としています。

得意分野

歯科口腔外科疾患の全てに対応できます。
特に口腔癌、顎変形症、口腔粘膜疾患、歯性感染症の診断・治療を得意としております。

歯科口腔外科で実施している主な治療は次のようなものです

▼ 口腔癌

エビデンスに基づき根治性を考慮し、手術可能な場合は切除手術が中心となります。広範囲切除例に対しては、口腔機能および審美性の改善に配慮し、形成外科と連携して皮弁による再建手術を行っています。
術後補助的に放射線療法、薬物療法(抗癌剤、免疫チェックポイント阻害薬など)を使用します。
切除不能、遠隔転移がある場合には、放射線(+薬物療法)あるいは薬物療法を行います。
また、顎顔面欠損が生じた場合は、院内歯科技工室を有しており、顎義歯やエピテーゼを用いた機能的、審美的修復が可能です。
通常の治療が終了した切除不能再発例で、光免疫療法であるアルミノックス治療が適応になる場合があります。

▼ 顎変形症

顎変形症(上顎前突症、下顎前突症、上顎後退症、下顎後退症、顔面非対称など)に対し、歯科矯正治療だけで、改善が難しい場合には、歯科矯正治療と顎変形症手術を併用して治療を行います。
手術は、上・下顎同時手術、下顎単独手術を下顎枝矢状分割術、下顎垂直骨切術、上顎骨骨切り術、オトガイ形成術などを症例に応じて組み合わせて行います。チタンあるいは吸収性プレート固定により入院期間の短縮を目指しています。
術前および術後の歯科矯正治療が治療に必要になります。

▼ 顎骨良性腫瘍、嚢胞

顎骨には様々な良性腫瘍、嚢胞が生じます。画像診断(パノラマ、CTなど)および病理検査で診断し、手術で摘出を行うことが多いです。病気の種類、大きさにより、顎骨の切除が必要な際にはチタンプレートおよび適応により骨性再建を行います。

▼ 歯科インプラント

インプラント(自費診療)はCBCT、歯列模型から専用シュミレーションソフトを用いて、インプラント埋入位置を決定します。それに基づきサージカルガイドを作成し、手術を行うため、安全で高精度な埋入手術が行えます。
インプラント埋入に際して十分な骨量が得られない症例に対しては、適応があれば骨移植を行っています。
また、癌の手術などにより顎骨の欠損が生じた症例については、口腔機能、審美性の回復を行うため、骨を移植して顎骨を再建した後、広範囲顎骨支持型装置埋入手術を保険診療で行える場合があります。

▼ 顎関節症

消炎鎮痛薬による薬物療法、スプリントによる保存療法、マイオモニター、開口訓練などで治療します。
重症化した症例には関節腔内洗浄や稀に外科的手術を行っています。

▼ 埋伏智歯(親知らず)

埋伏している智歯は感染を起こすため抜歯が必要になります。
歯肉、骨の中に水平になった状態で埋伏している場合もあり、歯肉切開、骨削除、歯冠分割、歯根分割、歯肉の縫合などの外科手術が必要になります。難易度の高い外来手術は、主に木曜午後の外来手術日に行います。
適応があれば、入院全身麻酔で一度に4本抜歯することあります。

▼ 口腔粘膜疾患

口腔カンジダ症、白板症、紅板症、口腔扁平苔癬、ウイルス性疾患(ヘルペス性歯肉口内炎、帯状疱疹、手足口病など)や口腔乾燥症などの検査、治療を行っています。

▼ 口唇口蓋裂

口唇口蓋裂に対し、出生後すぐに哺乳床の作成を行っています。成長に伴い、外科的治療(口唇形成術、口蓋形成術、裂腸骨移植、顎変形症手術など)、言語療法および歯科矯正治療などの一貫治療が必要です。先天異常によって生じた審美障害や構音、咀嚼などの機能を獲得する治療を行っています。

▼ 顎顔面外傷

交通事故、転倒などによる顎顔面の骨折や歯牙脱臼に対し咬合、咀嚼機能および審美性の回復のための治療や手術を行っています。

▼ 睡眠時無呼吸障害

内科、耳鼻咽喉科からの依頼に基づいて当科にてマウスピースの製作・装着・管理を行っています。マウスピース装着により下顎を前方へ移動させますので上気道を拡大し、上気道の閉塞による無呼吸の発生を減少させることができます。

▼ 周術期口腔管理(周術期口腔ケア)

手術を受ける患者さんに対し、周術期(術前・術中・術後)の、肺炎の予防や、手術部位の感染予防を目的として、歯科衛生士を中心とした専門的な口腔ケアを行っています。
放射線治療、化学療法を受ける患者さん、骨吸収抑制薬(ビスホスホネート、抗RANKL抗体薬)を使用する患者さんなどの口腔ケアも必要です。

▼ 特殊歯科治療

虫歯や歯周病の治療、義歯の調整などは入院患者さんに応急処置的な歯科治療を行っています。
歯科治療に対する恐怖心が強い方などに対しては、必要に応じて、全身麻酔や静脈内鎮静法を用いてモニター監視下に歯科治療を行っています。